香港学習塾 epis Education Centre

わかば深圳教室 教室長ブログ

教室長末木千尋

2011年12月に香港へ赴任。旧九龍教室、わかば深圳教室とで合計6年間勤務をし、2017年から再び深圳へ。きめ細やかなサポートには定評があり、時間が経つのも忘れついつい話し込んでしまうことも。本気で立ち向かう生徒の守護神として頼れるアネゴ的存在であるスエキチ先生は、衣食住どれをとっても刺激の絶えないここ深圳での生活がお気に入り。暑さには弱いが辛さには強い。好物は山椒のたっぷり入った激辛料理全般だとか。

「海外からの受験セミナー」を終えて


わかば深圳教室にて、香港から教務部長の圷を迎え、「海外からの中学受験セミナー」を開催いたしました。多数ご参加いただき誠にありがとうございました。

今回のセミナーは「中学受験」がテーマであったため、中国・海外からということで深圳では少しハードルの高いイメージがあったかと思います。しかし、中学受験をするかしないかに関わらず、日本の教育が進もうとする方向性を知ることは、どの学年の子供を育てるに際しても有益なことなので、多くの方にお声がけをさせていただきました。

昨年度から急速に進んでいる「英語中心の入試の広がり」は、2020年度の大学入試改革や小学校での英語教育の改革が急ピッチに進んでいることにあります。そして、その教育改革の最大の要因は世界のグローバル化にあります。

私たちは目先の進学(中学・高校・大学受験)にばかり気をとられずに根源的な教育の課題である、グローバル社会(もしかしたら反グローバル社会)で生きる今の子供達がどのような力を身につけておくべきかを考え、どの教育資源へ投資をするのかを選択していく必要があります。

グローバル社会で必要とされる能力は、外国語を単に操る力ではなく、その言語を駆使しタフな交渉に挑む力、異文化理解、高度な専門性などとされていますが、それらの力をつけるにはどうすればいいのか。

そして、日々新聞紙面を賑わしている「AI」が人間に代わって仕事をこなしていく未来に、今の子供達ができる仕事はなんのか。

この不確定要素の多い時代に、子供達を社会に送り出す以上、一定の準備を子供たちにさせる必要があります。

そのためには、まず私たち大人が現状を正しく認識し、知識を持つことだと思います。受験という観点で言えば、子供達に「勉強しなさい」という前に、その勉強に意味があるのかを大人も見つめ直す必要もあります。

今回のセミナーでも、私たちが提唱する中学受験のあるべき姿もお伝えいたしました。中学受験勉強は単に中学に合格するためにツールなのではなく、逆に中学受験を利用して「全力で物事に挑戦する楽しみ」「努力をすることの尊さ」「大きな目標を達成できたときの喜び」を経験しながら大きく成長するチャンスだと考えています。

セミナーの冒頭でもお話しいたしましたが、私は深圳に住む多くの親御さんが教育に対する関心を深めることが、深圳の教育レベルの押し上げること繋がると確信しています。そして、今回非常に多くの方に足を運んでいただき、教育について知識を共有できたことは、深圳の教育環境にとって大きな歩みになったかと思います。

今回のセミナーは、ご参加いただいた保護者各位のご協力をもって非常にすばらしいセミナーになりました。今後、またこのような機会を設けることができる日が来ることを楽しみにしています。

ありがとうございました。


教育講演会『君たちはどう生きるか』茗溪学園校長 田代先生

episわかば深圳教室にて


5月17日(火)茗溪学園中学校高等学校の田代校長先生をお迎えしご講演いただきました。深圳の中高生25人が教室に集まり、将来について考える貴重な1時間半になりました。

『君たちはどう生きるか』という深いテーマのもと、今の日本や世界がどのような状況におかれ、どのように変化しているのか、具体例を示されながら、将来のために自分たちが今やれること、どのように進んで行けばいいのかを考えていく時間となりました。

今回の先生のご講演は、テーマについて一方的に語るという手法ではなく、「グローバル人材とは何か?」「日本人には何が欠けているのか?」という田代先生の問いかけに、生徒達が自分たちの意見を述べるというインタラクティブな参加型の講演会となり、先生のお話を伺いながら、生徒達の反応を見ている私にとっても非常におもしろい機会になりました。

私が中学生だった時には、グローバルの「グ」の字も知らず、私にとって世界とは、当時住んでいた「山形市内」で完結していました。自分の生きる世界と外の世界とのつながりを全く感じずに生きていましたので、今回出席した生徒たちの発言には驚くばかりです。

深圳の生徒達は、英語を含む外国語は単なるツールの1つであり、その先に本来自分が成し遂げるべき何かが待っていることを理解しています。中学生ながらに「英語さえできればなんとなる」などという考えは持ち合わせておらず、社会が直面する問題、自分たちが直面する問題についてしっかり肌で感じ取っているのだと思います。


田代校長先生

グローバル化の波は確かに押し寄せ、人の成長にも影響を与えているのだと思います。生まれながらにしてインターネットがあり、それを操る便利な端末を手にした現代の子供達がまた一段と世界を飛躍させていくのだろうという期待に胸が高鳴ります。

講演会の後に田代先生に感想を伺いました。
「こんなに積極的な生徒たちはいない」。これはお世辞ではなく、本当に先生のお感じになられたことなのだと思います。長い間帰国生を多く受入れていらっしゃる茗溪学園の校長先生でさえも、改めて「海外の子供達はすごい」とお感じになられるのですから、やはり海外に住む子供達は日本の宝と言ってもよいのだと思います。

今回の講演会でも、田代先生の海外の子供達へのご理解、ご尽力によって海外での教育が支えられていることを再認識しました。先生のお言葉により、子供達の人生の可能性がさらに開かれたと思うと、本当によい機会になったと思います。

末筆ながら、今回の講演会を快く受けてくださった田代校長先生に心から御礼申し上げます。
ありがとうございました。


親子アルゴ大会開催!

優勝のT.H.君。準優勝のI.E.さん


Gさんペア。親子での協力体制がバッチリでした!

5月15日(日)わかば深圳教室では、親子アルゴ大会を開催いたしました。
今回はお父様方に多数ご参加いただき、いつもとはまた違うピリっとした空気の中、生徒のみなさんも保護者のみなさまにもがんばっていただきました。

大会のはじめにご挨拶させていただきましたが、今回の大会の観戦のポイントは勝敗だけではなく、「楽しんでいるか」を見て欲しいとお伝えしました。

アルゴクラブは算数脳を育てる2本柱として「見える力」と「詰める力」を伸ばすプログラムですが、それらの力を支える最も重要なことが、「楽しむこと」「算数を好きになること」です。


積み上げ競争。

小学校の低学年のうちに「算数が苦手」「考えることが苦痛」と感じてしまった場合、中学生や高校生になってから同じことを感じた場合とは大きくことなり、根深く苦手意識が定着してしまうため、その苦手克服には大きなエネルギーが必要になってしまいます。低学年のうちに算数を苦手だと感じてしまっている兆候が見られた場合は要注意です。そんな時は無理やり苦手分野を克服させるのではなく、精神面にも気をつける必要があります。
いくら思考力がある生徒でも、頑なに「苦手」だと思っていると、どうしても成績を伸ばすのに苦労してしまいます。


手持ちのカードを全て残しての完全勝利!

逆に「算数が好き」だと思えるようになった子供は、「もっと得意になりたい」「負けたくない」という気持ちなどにも支えられ、得意になりやすくなります。

アルゴクラブは、計算が速くなったり、英単語を覚えたりと目に見えてわかる成長がわかりやすい習い事ではありません。しかし、成長のバロメーターが「算数を楽しむこと」「思考を楽しむこと」であれば、普段の生活の中でもお子様の成長の具合を感じ取ることができると思います。

今回の大会でも、みんな元気一杯楽しんでくれていたと思います。さっそく次の大会の要望もありましたので、次回を楽しみにしていてほしいと思います。次回はもっともっとお父さん、お母さんにも活躍してもらってもいいかもしれません!お楽しみに!


中3夏期特訓2日目 殻を打ち破った瞬間

中3特訓期間の目玉の1つでもある面接・作文指導。
この5日間では、そのスキルを向上させるだけではなく、テーマについて考えるときに、自己と向き合うことで精神的な成長することも期待しています。

今日は昨日に引き続き、「中学校生活で一番印象に残ったこと」をスピーチ形式で自己表現する練習をしました。

昨日の練習では、 どんなに内容が良くても、丸暗記の棒読みでは何も伝わらないこと、同じ事実を伝えていても、言葉の選び方によっては、全く印象が変わってしまうことなどを学びました。

朝8時半から夜の9時半まではepisにいるので、教科の学習以外にスピーチの練習や原稿を推敲する時間は取りにくいだろうと思っていましたが、みなさん昨日の反省を生かして、それぞれがしっかり改善してきました。

もともと良く出来ていた原稿でさえも、より個性的な内容にするため、全面的に書き換えてくる生徒もおり、そのチャレンジ精神には脱帽するばかりです。

そんな、みんなの努力を一蹴するかのように、今日誰よりも輝いたのはS。人前で話すと急に萎縮して、表情もこわばり、いつもの持ち前の明るさを表現することができない。
この特訓期間だから特別に緊張しているのかと思って聞いてみると、学校でも人前に立つのが非常に苦手だとのこと。

今日のSのスピーチの順番は一番最後。
自分の出番を前に続々と発表を終える生徒たちは、それぞれが昨日の反省を生かし、目に見えて進歩していました。果敢にチャレンジする生徒もいました。どんどん高まるプレッシャーの中、何を思っていたのでしょう。

そして、迎えた出番。
なんとSは、 これまで考えて来た原稿を思い切って全て破棄して、アドリブで語り出しました。内容をアドリブで話すだけでも大変だったでしょうが、同時に、勇気を振り絞って、震える体を隠しながらもいつもの明るくユーモア溢れる自分自信を思い切って、人前で表現しました。

この変貌ぶりに一番驚かされたのは私です。
実は、スピーチ練習の直前までSと私はマンツーマンで特訓をしていました。大きい声で自信を持って話す練習です。
正直、あまり成果は見られませんでした。本人もそう感じていたと思います。

しかし、本番では、私との特訓の内容もおかまいなし。思い切って自分らしさを全面にぶつけてきました。

Sが話始めた瞬間から、聞いていた生徒、講師一同全員が、その話に引き込まれ、同時に今まで破ることの出来なかった殻を打ち破る瞬間に立ち会うことができました。

本当に大きなチャレンジ。本当に大きな一歩を踏み出しました。
そして、自分自身に大きな自信を与えたのはもちろん、他の生徒たちにも一気に火がついた瞬間でもありました。

中3特訓2日目にしてこんなドラマがあるとは思いもよりませんでした。
人が自分を変える瞬間をこんなにもはっきりと見たことがありません。

今、中3生全員が相互に高め合い始めています。
残りの3日間でもどんなドラマが生まれるのか楽しみです。


中3夏期特訓スタート!

自由貿易試験区 金融エリア

わかば深セン教室では8日間の全体の講習期間を終え、今日からは中3だけの5日間の特訓期間がスタートしました。
初日の今日は、教科の学習ではなく、「深センを知る」をテーマに課外学習のため深センを走り回りました。
この企画は「深センを知る」ことからさらに掘り下げて「自分自身を知る」ことがねらいです。
高校入試では面接や作文が課されることがあります。そのテーマの多くは、海外生活、中学生活、将来の夢などに関することが扱われます。
それらのことを語るときに、今自分たちが住む深センのことを知らずに、深センでの生活を語ることはできません。深センは急速に発展した都市であるが故に、歴史や街の特徴がつかみにくくなっています。

そのため、今回は「前海深港青年夢工場」という最新の経済特区と「大鵬古城」という明代からの遺跡を訪れ、新旧深センを一気に訪れるというタイムスリップのようなツアーに飛び出しました。
写真はこちらにアップしています。


前海深港青年夢工場

前海深港青年夢工場は、その名の通り、深センと香港の才能のある若者の起業を支援するために立ち上げられた経済特区で、そこはまるでテーマパークかと錯覚するような作りになっています。優れたアイディアを出せば、それを支援してくれるシステムがそこに用意されてあり、またその環境が非常にスタイリッシュで魅力的であるので、夢工場の名の通り生徒たちに夢や希望を与えてくれたようです。

目の前にある勉強の意味がわからなくなりがちな受験生ですが、ここで勉強の先にあるものが少し形になったのではないかと思います。


大鵬古城


続いて訪れたのは、大鵬古城。明代から残っている城壁に囲まれた古い街です。中国の城は日本のいわゆるお城とは違い、壁で街全体を囲ってしまい、街ごと防衛設備にしてしまおうという物です。大鵬古城は600年前の倭寇の襲来などに備えて作られた街とのことです。

手付かずのまま残っている城壁や家々からは、中国の歴史を肌で感じることができます。中国にいるのだから歴史くらい感じるだろうと思われるかもしれませんが、そこがここ深センの特徴で、普段の暮らしから中国の歴史を感じるようなことはほとんどありません。教室のある南山区から1時間半かけて移動してやっと深センの歴史に直接触れることができます。

建物だけでも感動しきりでしたが、天后廟にいたおばあさんがしきりに私たち一行に現地の言葉(なまった北京語と広東語の混ざったような言葉)で話しかけてくれました。おばあさんの言うことは、ほとんど聞き取れませんでしたが、「聴くか、聴かないか?」というので、「聴く」と答えたところ、初めてなのに懐かしいメロディーの歌を、やさしい風が吹いているような歌声で一曲歌ってくれました。こんな出会いも深センの街中ではありません。


歌を聴かせてくれたおばあさん

海辺で一休みをして、教室に帰還。夕食を済ませてからは、面接と作文のための特訓が続きました。朝から晩まで多くの経験をしたので、1日のできごととは思えないほどでした。

今日の経験は今後の厳しい勉強の糧、作文、面接、人生の糧にしていってほしいと思います。

明日からの4日間は厳しい特訓になると思います。がんばろう!!!


大鵬の海で一休み