香港学習塾 epis Education Centre

難攻不落の算数城攻略!忍者エピス丸

2017年4月号の巻

挑戦状

拙者は忍者エピス丸。オヌシはこの問題を解けるかな?


春子さんは、砂時計と容器を使って問題を出しました。
図1は1分間を計ることができる砂時計です。また、
図2は水が500mlと400ml入る直方体の容器です。
それぞれ1個ずつあり、いずれも目もりはありません。



春子:1分間に水の出る量が、300mlになるように水
   道のじゃ口を調節したわ。500mlと400mlの
   容器と砂時計から必要なものを選んで、350ml
   を量る方法を考えてみてね。
夏男:うまく組み合わせれば、量れそうだね。
春子:量る条件として、500mlと400mlの容器と
   砂時計以外は使えないものとするわ。調節した
   じゃ口から流れる水をくんで、量りとってね。

春子さんの出した条件で、350mlの水を量る方法を文や図を使って書きなさい。

(2009年度 千葉県立千葉中学 入試問題)

オヌシなら、まず何をする? 健闘を祈る!

攻略キーポイント

江戸時代から明治時代にかけて、日本で独自に研究・発展していった数学を和算という。和算家の代表格として有名な関孝和の研究は、江戸時代の鎖国の間にも関わらず世界最高水準まで達していた。また、江戸時代の算術書「塵劫記」は日本中で大ベストセラーとなり、日本の数学を大きく発展させたというぞ。
現代の日本の算数・数学は西洋から輸入されたものだが、一方で和算の魅力が再評価されておる。今回の挑戦状は、「塵劫記」の中の「油分け算」と呼ばれる問題をテーマにしたものじゃ。


攻略するために1番必要なことは、泥臭く解くこと、これに尽きる。どちらかの容器に1分間水を入れてみる。別の容器にも水を入れてみる。あふれるまで水を入れてみる。思いつく限りの作業をする姿勢が何より大切なのじゃ。実際に容器を準備したり、図を書いてみるとイメージしやすいだろう。
そしてもう一つ攻略するために必要なことは、「逆の発想」を検討すること。容器には目もりがないので、どのように「水を入れる」のかを考えているだけでは、この問題は解けない。逆の発想をし、どのように「水を捨てる」のかを考えられる人が、問題を解決できるのじゃ!
右の図のように容器を傾けることで、容器の半分の水を量ることができるぞ。この発想ができれば、今回の挑戦状は攻略できたようなもの。あとは泥臭く調べてみよう!

解法ビデオ



圷 加寿男 先生

神奈川県大和市出身。高校時代はサッカー部のキーパーとして活躍。香港でも日曜日はサッカーで汗を流す。エピスでは教務部長として、受験算数・数学のエキスパートとして大活躍の日々。長期休暇はバックパックひとつで、ふらっと旅に出る。これまでに訪れた国は、インド、バングラディシュ、スリランカ、タイ、ベトナム、ラオスなどなどアジア中心だが、時にはジャマイカ、パラグアイなど南米まで足を延ばすこともあるという、陽気なラテン系。最近のマイブームはダイビング。