香港学習塾 epis Education Centre

わかば深圳教室 教室長ブログ

教室長末木千尋

2011年12月に香港へ赴任。旧九龍教室、わかば深圳教室とで合計6年間勤務をし、2017年から再び深圳へ。きめ細やかなサポートには定評があり、時間が経つのも忘れついつい話し込んでしまうことも。本気で立ち向かう生徒の守護神として頼れるアネゴ的存在であるスエキチ先生は、衣食住どれをとっても刺激の絶えないここ深圳での生活がお気に入り。暑さには弱いが辛さには強い。好物は山椒のたっぷり入った激辛料理全般だとか。

深センを満喫する季節です!

「妃子笑」という品種のライチ。


深センの6月はライチの季節です。そこら中にあるライチの木に緑のライチの実が実ってきました。
日本の桜のように、タイミングを逃すと旬のライチを食べることができません。ライチは日持ちもしないので、私はライチが熟すの今か今かと木の下から狙っているところです。
今年は6月17日が端午節の休みでもあり、ライチの旬でもあるので、この日曜日はライチの争奪戦になるかもしれません。


色づき始めたライチの実

ライチと言えば、唐の詩人杜牧がライチを歌った漢詩もあります。

 長安廻望繍成堆 山頂千門次第開
 一騎紅塵妃子笑 無人知是茘枝来

騎馬が砂埃を上げてやってくるのを見て、誰もが緊急の早馬が来たと思っているところ、それを見ていた楊貴妃だけがライチが届いたことを知っているので微笑んでいるというなんともほのぼのとした情景です。ここで出てくる「妃子笑」という言葉がライチの品種名となっています。

深センではそこら中にある「ライチ狩り」ができるスポットもあるので、家族で行ってみるのもいいと思います。ただ、ライチは食べ過ぎると漢方でいうところの「上火」という、体が火照った状態になるので、実は暑い夏には向かない食べ物なので、子供ならせいぜい5個、大人でも10個程度を目安に食べすぎないように気をつけてください。
6月中旬から6月いっぱいまでがライチのシーズンになりますので、「楊貴妃が食べた」とも「世界で一番美味しい」とも言われる深センの新鮮なライチをぜひ味わってみてください。


バナナの花も咲いています。


まだ緑色のライチ


シェアサイクルブームは中国に何をもたらすのか

駐輪スペースに停められたシェアサイクル

シェアサイクルが中国で猛烈な勢いで普及しています。最近ではその勢いが日本にまで届き北海道でもモバイクが導入されたようです。
そして、その普及が加速するなか、同時に駐輪のマナーについて言及されることが増えてきています。日本のマスコミからすれば、「中国人はマナーが悪く好き勝手に乗り捨てるから最低!」という中国批判の記事を書く格好のネタになるでしょうし、情報を受け取る日本人からすれば、「やっぱり中国人はダメだね」と言ってちょっとした安堵かんを得られるのでしょう。
しかし、よくよくこの社会現象を見ているとシェアサイクルの普及は、実は中国人のマナー意識を高めたと言えます。一旦は無政府状態で誰もが好き勝手に乗り捨てていましたが、今では、「マンション内には乗り入れない」「決められた場所に停める」というような意識が育ってきています。
日本ではルールを決めて、決めたルールはみんなで守るというスタンスだと思いますが、中国ではルールを先に決めるのではなく、始めてみたことに問題が起こったら修正していくスタンスで、失敗することや改善点が浮上することが前提で、始めから完璧なものを作り出すのではありません。
中国に暮らす日本人にとってみれば、そのような学びの機会が生活の中にも含まれています。今中国で暮らす子供たちがグローバルな視点で物事を捉えていくという意味でも、子供のうちから中国のやり方を肌で知ることができるのは、貴重な経験だと言えます。
そのためにも、私たち大人が自分たちの住む社会を理解し、「日本と違うものはダメ」ということではなく、「なぜダメなのか」「本当にダメなのか」を学びなおす機会としていかなければならないと思います。


誕生日おめでとう


深圳市は1979年8月26日に、深圳経済特区に指定されました。昨日がその8月26日でしたので、ちょうど37周年の日にあたります。
経済特区に指定されただけではなく、深圳市が誕生したのも同じ年の1979年の3月ということで、深圳市にはたった37年の歴史しかありません。それまでは宝安県という小さな県でした。県というのは、日本では「県」の方が「市」よりも広い地域を管轄するのに対して、中国では「市」の方が、「県」よりも広い地域を管轄しています。
深圳は1979年3月に宝安県から深圳市に格上げされ、さらに同年8月に経済特区にしてされたその直後から、香港に隣接する中国の都市として急速な発展を遂げました。
深圳は日本での知名度が非常に低いかと思いますが、中国国内はもちろん、世界の経済界が注目する都市であることは間違いないと思います。
私は、せめて深圳に住む日本の子供たちには、自分たちの住む深圳を少しでも多く知った上で、帰国してほしいと思っています。それは、深圳には爆発的な経済成長を推進するパワーと、夢と希望を持った若者が集まる情熱があるので、そこで育った日本人にも深圳で育ったからこそ、パワーと情熱のみなぎる人物に育ってほしい思うのです。
そんな深圳市がどんなところなのか、深圳のニュースサイトに深圳市を空撮した動画がアップロードされましたので、ぜひご覧になってみてください。こちらで見れます。→深圳新聞網
いつの日か深圳育ちの日本人の活躍がニュースで報道されるなんて日が来ることを楽しみにしています。


深圳のランドマークの地王大廈も新しい京基100の隣では小さく見える。


わかば深圳教室始動!

毎年進化し続ける教室、わかば深圳教室の今年の春期講習では、新6年生と新中3生が2日間の12時間特訓を実施中です!

午前9時から午後21時までの12時間に問題演習を中心の時間割を設定しています。

その狙いは、「何時間でも勉強できる」「やった分だけ成長できる」ことを体感してもらうためです。

「12時間も勉強なんて大変!」と思われるかもしれませんが、ゲームや漫画という誘惑を排除した環境であれば、自らの成長をその場で実感できる環境は全く苦痛ではありません。

逆に家庭学習ができない場合は、「意志が弱い」のではなく、「環境が整っていない」と考えるべきかもしれません。

今回の特訓で、少しでも勉強をする自信と成長する楽しみを実感してくれていたらと思います!

さぁ、今年もわかば深圳教室がんばるぞ!!!




今日は夏至です。

夏至の朝の美年広場。ビルの窓にも青空が映える。

昨晩、コーヒーを飲みながら考え事をしていると、突然、携帯電話が「ポロリン」と何かの通知音。何かと思って見てみると、

「明日は夏至です。」

最近インストールしたばかりの「風水アプリ」が今日の夏至を知らせてくれました。風水にはまっているわけではありませんが、風水アプリなるものをインストールして少し遊んでみたのです。

深圳市は北緯22度33分と、北回帰線のわずかに南に位置しています。そのために、この夏至の日の正午頃には太陽がほぼ頭の真上に上り影がほとんどなくなるので、その瞬間が毎年楽しみでなんとなくソワソワしてしまうのです。
なんとなくソワソワするその日を忘れてかけていた私に風水アプリが知らせてくれるのと同時に、そもそも風水と夏至に関連性があることに気づかせてくれました。


電灯の影がほぼ真下にできている。

風水について少し調べてみると、紀元前1000年、今から3000年ほど前の中国にその起源があり、その知識と経験が脈々と受け継がれ、1つの思想が確立されてきたということです。

私は特に風水や占星術を信じるわけではありませんが、千年単位で蓄積されてきた情報や経験から一定の方向性を見出すという意味では、確実性はなくとも、一つの経験則として意味があると思えるので非常に興味深いと感じています。

携帯電話が「ポロリン」と鳴った昨晩は、満月で今日が夏至。地球の北極が太陽に向けて最も傾くと同時に、その背面に月が位置するといういつもより特別な夏至の知らせだったようです。

そう言われてみると、月が一際明るく輝いているように感じてしまうし、今日の夏至という日の空も一際鮮やかな特別な青色に感じてしまいます。

科学の発展した現代とは言え、ヒトが進化したわけではないので、「今日は特別な日だ」と言われれば、そのような気もしてしまうわけで、まして科学の発達していない、1000年以上も前の人々であれば、人心を操るのも決して難しいことではなかったのだと思います。唐の玄宗皇帝が風水の秘伝の流出を防ぐ策を講じたというのもうなずけます。


長いポールの影もこんなに短い。

私は「風水」も面白いと思いますが、「漢方」にもまた同じように興味があります。いったいどこの誰が鹿の角なんかを利用し、そして効能があることを確かめたのか。ヒトデやらトカゲやらタツノオトシゴやらがアルコール漬けにされているのを見かけますが、本当に効能があるのだろうか??

以前、私が足をくじいた時に薬局で店員さんがオススメしてくれた漢方の塗り薬がありました。雲南省で生産されその薬は捻挫や切り傷に効果があるとのことですが、成分はなんと「国家機密」。少し不安な気持ちとワクワクする気持ちでその薬を使ってみましたが、間違いなく効果があり腫れがひき、痛みもやわらいだのです。

風水でも玄宗皇帝が登場しましたが、玄宗皇帝は漢方にもさぞかし興味があったのか、玄宗皇帝と漢方を検索してみると、情報が湯水のように出てきます。自分自身のために漢方を発展させたのか、愛する楊貴妃のために必死だったのかわかりませんが、ありとあらゆる物で実験させたのかもしれません。

近代的な生活で薄らいではいますが、今でも中国では風水やら漢方やら不思議な観念の影響を受けながら人々は生活しています。何でもかんでもロジカルに処理するのではなく、「なんだかよく分からないけど良いんだよね」というような非論理的な部分が残されているのは、現代社会においては、ホッとできる心のゆとりかとも思います。

中国のこの謎めいた部分こそが中国の魅力なのかなと、なんとなく特別な夏至の日に感じています。普通の日であるような気もするし、特別な日であるような気もしてきます。ただ、不思議なことにいつもより空が青く感じるのは科学的な根拠に由来することなんでしょうかね?