香港学習塾 epis Education Centre

わかば深圳教室 教室長ブログ

教室長末木千尋

2011年12月に香港へ赴任。旧九龍教室、わかば深圳教室とで合計6年間勤務をし、2017年から再び深圳へ。きめ細やかなサポートには定評があり、時間が経つのも忘れついつい話し込んでしまうことも。本気で立ち向かう生徒の守護神として頼れるアネゴ的存在であるスエキチ先生は、衣食住どれをとっても刺激の絶えないここ深圳での生活がお気に入り。暑さには弱いが辛さには強い。好物は山椒のたっぷり入った激辛料理全般だとか。

誕生日おめでとう


深圳市は1979年8月26日に、深圳経済特区に指定されました。昨日がその8月26日でしたので、ちょうど37周年の日にあたります。
経済特区に指定されただけではなく、深圳市が誕生したのも同じ年の1979年の3月ということで、深圳市にはたった37年の歴史しかありません。それまでは宝安県という小さな県でした。県というのは、日本では「県」の方が「市」よりも広い地域を管轄するのに対して、中国では「市」の方が、「県」よりも広い地域を管轄しています。
深圳は1979年3月に宝安県から深圳市に格上げされ、さらに同年8月に経済特区にしてされたその直後から、香港に隣接する中国の都市として急速な発展を遂げました。
深圳は日本での知名度が非常に低いかと思いますが、中国国内はもちろん、世界の経済界が注目する都市であることは間違いないと思います。
私は、せめて深圳に住む日本の子供たちには、自分たちの住む深圳を少しでも多く知った上で、帰国してほしいと思っています。それは、深圳には爆発的な経済成長を推進するパワーと、夢と希望を持った若者が集まる情熱があるので、そこで育った日本人にも深圳で育ったからこそ、パワーと情熱のみなぎる人物に育ってほしい思うのです。
そんな深圳市がどんなところなのか、深圳のニュースサイトに深圳市を空撮した動画がアップロードされましたので、ぜひご覧になってみてください。こちらで見れます。→深圳新聞網
いつの日か深圳育ちの日本人の活躍がニュースで報道されるなんて日が来ることを楽しみにしています。


深圳のランドマークの地王大廈も新しい京基100の隣では小さく見える。


わかば深圳教室始動!

毎年進化し続ける教室、わかば深圳教室の今年の春期講習では、新6年生と新中3生が2日間の12時間特訓を実施中です!

午前9時から午後21時までの12時間に問題演習を中心の時間割を設定しています。

その狙いは、「何時間でも勉強できる」「やった分だけ成長できる」ことを体感してもらうためです。

「12時間も勉強なんて大変!」と思われるかもしれませんが、ゲームや漫画という誘惑を排除した環境であれば、自らの成長をその場で実感できる環境は全く苦痛ではありません。

逆に家庭学習ができない場合は、「意志が弱い」のではなく、「環境が整っていない」と考えるべきかもしれません。

今回の特訓で、少しでも勉強をする自信と成長する楽しみを実感してくれていたらと思います!

さぁ、今年もわかば深圳教室がんばるぞ!!!




今日は夏至です。

夏至の朝の美年広場。ビルの窓にも青空が映える。

昨晩、コーヒーを飲みながら考え事をしていると、突然、携帯電話が「ポロリン」と何かの通知音。何かと思って見てみると、

「明日は夏至です。」

最近インストールしたばかりの「風水アプリ」が今日の夏至を知らせてくれました。風水にはまっているわけではありませんが、風水アプリなるものをインストールして少し遊んでみたのです。

深圳市は北緯22度33分と、北回帰線のわずかに南に位置しています。そのために、この夏至の日の正午頃には太陽がほぼ頭の真上に上り影がほとんどなくなるので、その瞬間が毎年楽しみでなんとなくソワソワしてしまうのです。
なんとなくソワソワするその日を忘れてかけていた私に風水アプリが知らせてくれるのと同時に、そもそも風水と夏至に関連性があることに気づかせてくれました。


電灯の影がほぼ真下にできている。

風水について少し調べてみると、紀元前1000年、今から3000年ほど前の中国にその起源があり、その知識と経験が脈々と受け継がれ、1つの思想が確立されてきたということです。

私は特に風水や占星術を信じるわけではありませんが、千年単位で蓄積されてきた情報や経験から一定の方向性を見出すという意味では、確実性はなくとも、一つの経験則として意味があると思えるので非常に興味深いと感じています。

携帯電話が「ポロリン」と鳴った昨晩は、満月で今日が夏至。地球の北極が太陽に向けて最も傾くと同時に、その背面に月が位置するといういつもより特別な夏至の知らせだったようです。

そう言われてみると、月が一際明るく輝いているように感じてしまうし、今日の夏至という日の空も一際鮮やかな特別な青色に感じてしまいます。

科学の発展した現代とは言え、ヒトが進化したわけではないので、「今日は特別な日だ」と言われれば、そのような気もしてしまうわけで、まして科学の発達していない、1000年以上も前の人々であれば、人心を操るのも決して難しいことではなかったのだと思います。唐の玄宗皇帝が風水の秘伝の流出を防ぐ策を講じたというのもうなずけます。


長いポールの影もこんなに短い。

私は「風水」も面白いと思いますが、「漢方」にもまた同じように興味があります。いったいどこの誰が鹿の角なんかを利用し、そして効能があることを確かめたのか。ヒトデやらトカゲやらタツノオトシゴやらがアルコール漬けにされているのを見かけますが、本当に効能があるのだろうか??

以前、私が足をくじいた時に薬局で店員さんがオススメしてくれた漢方の塗り薬がありました。雲南省で生産されその薬は捻挫や切り傷に効果があるとのことですが、成分はなんと「国家機密」。少し不安な気持ちとワクワクする気持ちでその薬を使ってみましたが、間違いなく効果があり腫れがひき、痛みもやわらいだのです。

風水でも玄宗皇帝が登場しましたが、玄宗皇帝は漢方にもさぞかし興味があったのか、玄宗皇帝と漢方を検索してみると、情報が湯水のように出てきます。自分自身のために漢方を発展させたのか、愛する楊貴妃のために必死だったのかわかりませんが、ありとあらゆる物で実験させたのかもしれません。

近代的な生活で薄らいではいますが、今でも中国では風水やら漢方やら不思議な観念の影響を受けながら人々は生活しています。何でもかんでもロジカルに処理するのではなく、「なんだかよく分からないけど良いんだよね」というような非論理的な部分が残されているのは、現代社会においては、ホッとできる心のゆとりかとも思います。

中国のこの謎めいた部分こそが中国の魅力なのかなと、なんとなく特別な夏至の日に感じています。普通の日であるような気もするし、特別な日であるような気もしてきます。ただ、不思議なことにいつもより空が青く感じるのは科学的な根拠に由来することなんでしょうかね?


ライチに学ぶ

新学期を迎え、慌ただしく過ごしているとうちに、ふと気づくと5月になっていました。目の前の業務に追われていると、どうしても先のことを考えることができなくなります。そんな時は忙しくても散歩やジョギングが有効だと思っています。散歩やジョギングの間、スマホやテレビなどから解放され、自分自身だけと向き合うと考えがまとまったり、新しいアイディアが生まれたりします。


公園のライチの木

深圳の街では様々な草花を目にすることができます。5月になるとライチの花が咲き始めます。5月、6月を通じて成長するライチを見ていると、深圳に住んでいる実感とここで流れる時間を肌で感じることができるような気がします。

ライチのことを少し調べてみると、中国「嶺南地方」原産という記述が見られます。嶺南地方というのは、中国南部の広東省、江西省とベトナム北部を含む一体を指す地域のことで、「嶺南」という言葉通り、いくつかの嶺に囲まれた、地形的には一つの地域になっています。

以前、香港からベトナムのハノイまで全ての行程をバスだけを使って旅行をしたことがあります。この時に漠然と感じていたのは、大きな山は越えず、国境はあれど一続きな土地であるということでした。何よりも同じカルスト地形で有名な中国の桂林とベトナムのハロン湾が見た目にもそのまま同じ大地であることを証明してくれていますし、カルスト地形は桂林やハロン湾にだけあるのではなく、嶺南地方の様々な場所でみることができます。香港からベトナムへの道中では、このカルスト地形の中を移動する場所もあるので、長い長いバスでの移動ですが、その景色が移動中の醍醐味とも言えます。

嶺南地方について考えてみると、さらに思い当たることがあります。広東語とベトナム語。このどちらの言語も私が中途半端に学習をしたという点で共通点がありますが、それはさておき、音がよく似ている印象があります。文法的には共通点がないようですが、嶺南地方という同じ地域で発音の仕方などが似たものになっていったのかもしれません。


ライチの花と小さい実

ライチの花は毎年この時期に何かを教えてくれます。今年は私の住む深圳からベトナムまでのつながりについて教えたかと思うと、感慨深いものがあります。

話はそれますが、多くの帰国生入試では面接が設定されています。その中で、「自分の住む国・地域」について話すことは大きなテーマの一つです。入試対策のために行動するのは可笑しなことですが、日頃から自分の住む地域での生活を楽しんでいれば、自ずと面接の答えなど簡単に用意できるものです。一般的に言われているその国の評価ではなく、自分なりに感じたことを自分の言葉で伝えらえることが大事だと思います。地域の公園や広場などに行ってみるだけで、きっと新しい発見が得られるので、忙しいときこそ普段行かないところに行ってみてください。

入試にとらわれて生活しているのは堅苦しくて仕方がないですが、海外での生活を満喫することこそが海外に住む子供たちに求められていることだと思います。せっかくの海外生活ですから、とことん楽しみましょう!


勉強のことは少し忘れて夜空を眺めてみる

オリオン座(Wikipediaより)

 わかば深圳教室のある美年広場から大通りへ出る敷地内の通り道は、真東よりやや南よりの方角に伸びています。私が教室の勤務を終えて帰宅するころには、日本や香港のように灯りが残っておらず、暗闇の中その小道を歩くことになります。普通に顔を上げて歩いていれば自然と東の空の夜空が目に飛び込んできます。

 最近は東の空からちょうど上ってくるオリオンの横たわった姿が見られるようになってきました。毎日同じ時刻に見ていてもオリオンは見えても青白く輝くシリウスは見えていませんでしたが、その姿も徐々にみられるようになってきました。

 理科の天体の単元では「オリオン座は冬を代表する星座です」と学習します。あるいは「冬にはオリオン座が見られます」と学習するでしょうか。しかし、そんなことは学習しなくても、普段の生活の中でオリオン座が冬の星座であることを周囲の空気とともに脳も体も記憶してくれています。深圳で見るオリオン座であるにもかからず、日本で幾度となく見てきたオリオンの記憶があるせいか、私は体が寒さに震えるような感覚さえ覚えます。

 オリオン座を見ると、現実にはない寒さを感じると同時に、「今年も冬がやってきたな」とも思いますが、「あの時もオリオン座が見えていたな」とオリオン座には過去の記憶が結びついています。


オリオン座(Wikipediaより)

 遠い記憶ながら一番よく思い出すのは、大学時代を過ごした街を去るその日の朝のことです。徹夜で友人宅で飲み明かした夜明けごろに、ベランダに涼みに出て思いがけず目に入ってきたのはオリオン座でした。それは8月か9月のことだったので、オリオン座が見える季節ではありませんでしたが、夜明け頃に少しだけ見える東の空のオリオンを見ることができました。夏の夜空に思いがけず見ることのできた驚きと、友人との別れを惜しむ気持ちが相まってか、記憶に深く刻み込まれているようです。

 近い記憶でいえば、2015年10月31日の香港での土浦日大高校の入試の朝を思い出します。今年は香港日本人中学校前での校門激励に向かうべく、朝の6時に深圳を出発しました。その日の朝、夜の明け始めている空をふと見上げると南の空に月とオリオンが、東の空には金星、火星、木星がめずらしくそろって輝いていました。この日の夜空も生徒たちの顔とともに記憶に刻み込まれるのかもしれません。

 香港でも深圳でもオリオン座くらいはかろうじてみることができます。オリオンが見えにくくても冬の大三角はわかります。スマートフォンのアプリを使って画面を星に向ければ星座名や星の名前を重ねてみることもできます。特に中学受験に必要な知識は、日常生活をどれだけ豊かに過ごせているかが重要な鍵となっています。勉強という意識を捨てて、夜の散歩に出かけてみてはいかがでしょうか。