香港学習塾 epis Education Centre

わかば深圳教室 教室長ブログ

教室長末木千尋

2011年12月に香港へ赴任。旧九龍教室、わかば深圳教室とで合計6年間勤務をし、2017年から再び深圳へ。きめ細やかなサポートには定評があり、時間が経つのも忘れついつい話し込んでしまうことも。本気で立ち向かう生徒の守護神として頼れるアネゴ的存在であるスエキチ先生は、衣食住どれをとっても刺激の絶えないここ深圳での生活がお気に入り。暑さには弱いが辛さには強い。好物は山椒のたっぷり入った激辛料理全般だとか。

シェアサイクルブームは中国に何をもたらすのか

駐輪スペースに停められたシェアサイクル

シェアサイクルが中国で猛烈な勢いで普及しています。最近ではその勢いが日本にまで届き北海道でもモバイクが導入されたようです。
そして、その普及が加速するなか、同時に駐輪のマナーについて言及されることが増えてきています。日本のマスコミからすれば、「中国人はマナーが悪く好き勝手に乗り捨てるから最低!」という中国批判の記事を書く格好のネタになるでしょうし、情報を受け取る日本人からすれば、「やっぱり中国人はダメだね」と言ってちょっとした安堵かんを得られるのでしょう。
しかし、よくよくこの社会現象を見ているとシェアサイクルの普及は、実は中国人のマナー意識を高めたと言えます。一旦は無政府状態で誰もが好き勝手に乗り捨てていましたが、今では、「マンション内には乗り入れない」「決められた場所に停める」というような意識が育ってきています。
日本ではルールを決めて、決めたルールはみんなで守るというスタンスだと思いますが、中国ではルールを先に決めるのではなく、始めてみたことに問題が起こったら修正していくスタンスで、失敗することや改善点が浮上することが前提で、始めから完璧なものを作り出すのではありません。
中国に暮らす日本人にとってみれば、そのような学びの機会が生活の中にも含まれています。今中国で暮らす子供たちがグローバルな視点で物事を捉えていくという意味でも、子供のうちから中国のやり方を肌で知ることができるのは、貴重な経験だと言えます。
そのためにも、私たち大人が自分たちの住む社会を理解し、「日本と違うものはダメ」ということではなく、「なぜダメなのか」「本当にダメなのか」を学びなおす機会としていかなければならないと思います。


誕生日おめでとう


深圳市は1979年8月26日に、深圳経済特区に指定されました。昨日がその8月26日でしたので、ちょうど37周年の日にあたります。
経済特区に指定されただけではなく、深圳市が誕生したのも同じ年の1979年の3月ということで、深圳市にはたった37年の歴史しかありません。それまでは宝安県という小さな県でした。県というのは、日本では「県」の方が「市」よりも広い地域を管轄するのに対して、中国では「市」の方が、「県」よりも広い地域を管轄しています。
深圳は1979年3月に宝安県から深圳市に格上げされ、さらに同年8月に経済特区にしてされたその直後から、香港に隣接する中国の都市として急速な発展を遂げました。
深圳は日本での知名度が非常に低いかと思いますが、中国国内はもちろん、世界の経済界が注目する都市であることは間違いないと思います。
私は、せめて深圳に住む日本の子供たちには、自分たちの住む深圳を少しでも多く知った上で、帰国してほしいと思っています。それは、深圳には爆発的な経済成長を推進するパワーと、夢と希望を持った若者が集まる情熱があるので、そこで育った日本人にも深圳で育ったからこそ、パワーと情熱のみなぎる人物に育ってほしい思うのです。
そんな深圳市がどんなところなのか、深圳のニュースサイトに深圳市を空撮した動画がアップロードされましたので、ぜひご覧になってみてください。こちらで見れます。→深圳新聞網
いつの日か深圳育ちの日本人の活躍がニュースで報道されるなんて日が来ることを楽しみにしています。


深圳のランドマークの地王大廈も新しい京基100の隣では小さく見える。


今年の受験生は夏期講習で何を感じたか。

夏期講習の恒例となっている、受験生とともに深圳を知るためのツアーを今年も実施しました。
今年は、「今しか体験できない深圳」をテーマに、わかば深圳教室や生徒の住まいからほど近い、後海(ホウハイ)地区の開発中の街を探検しました。
深圳という都市は、日本人、特に中学生の感覚からすれば、「中国にしては洗練された都会」というそれだけかもしれません。しかし、今回探検した後海地区や、ソフトウェア産業基地には、世界屈指の企業であるテンセントの本社、中国のスティーブ・ジョブズとも言われるジャック・マー(馬雲)によるアリババのアリセンター、そして中国人なら誰でも一度は使ったことのある検索サイトの百度のビルなどが立ち並びます。教室から10分もバスに乗れば、中国屈指の企業の拠点がそこら中に点在していることを知ってもらうためにも、敢えて自分たちの足でヘトヘトになりながら歩き回ってみました。


百度ビル


アリセンター


後海地区は現在まさに開発中で道路だけがほぼ出来上がっていて、周辺のビルや土地は建設途中の状態です。「今しか体験できない深圳」というのは、今だけなら、写真のように道路の真ん中を堂々と歩くことができる、今、この瞬間しか体験しようのないことを、深圳の街のど真ん中で体験してみようと思いから、この場所を直に自分たちの足で踏みしめました。
歴史上稀に見るスピードで急速に発展する深圳のまさに開発中の街のど真ん中に立ってみると、ここ深圳に生きていることを実感できるような気がします。


出来立ての道路を思いのままに練り歩く

深圳を占拠!

今回のツアーで自分たちの住む深圳を少しでも肌で感じてくれたのではないかと思います。何を感じたのかは、それぞれの心の中に残っていると思います。いつの日か、深圳が世界屈指の都市として名実ともに世界に君臨するようになったときに、あの道路のど真ん中に立ってみたことを思い出すかもしれませんね。


ソフトウェア産業基地のビル群


わかば深圳教室始動!

毎年進化し続ける教室、わかば深圳教室の今年の春期講習では、新6年生と新中3生が2日間の12時間特訓を実施中です!

午前9時から午後21時までの12時間に問題演習を中心の時間割を設定しています。

その狙いは、「何時間でも勉強できる」「やった分だけ成長できる」ことを体感してもらうためです。

「12時間も勉強なんて大変!」と思われるかもしれませんが、ゲームや漫画という誘惑を排除した環境であれば、自らの成長をその場で実感できる環境は全く苦痛ではありません。

逆に家庭学習ができない場合は、「意志が弱い」のではなく、「環境が整っていない」と考えるべきかもしれません。

今回の特訓で、少しでも勉強をする自信と成長する楽しみを実感してくれていたらと思います!

さぁ、今年もわかば深圳教室がんばるぞ!!!




「海外からの受験セミナー」を終えて


わかば深圳教室にて、香港から教務部長の圷を迎え、「海外からの中学受験セミナー」を開催いたしました。多数ご参加いただき誠にありがとうございました。

今回のセミナーは「中学受験」がテーマであったため、中国・海外からということで深圳では少しハードルの高いイメージがあったかと思います。しかし、中学受験をするかしないかに関わらず、日本の教育が進もうとする方向性を知ることは、どの学年の子供を育てるに際しても有益なことなので、多くの方にお声がけをさせていただきました。

昨年度から急速に進んでいる「英語中心の入試の広がり」は、2020年度の大学入試改革や小学校での英語教育の改革が急ピッチに進んでいることにあります。そして、その教育改革の最大の要因は世界のグローバル化にあります。

私たちは目先の進学(中学・高校・大学受験)にばかり気をとられずに根源的な教育の課題である、グローバル社会(もしかしたら反グローバル社会)で生きる今の子供達がどのような力を身につけておくべきかを考え、どの教育資源へ投資をするのかを選択していく必要があります。

グローバル社会で必要とされる能力は、外国語を単に操る力ではなく、その言語を駆使しタフな交渉に挑む力、異文化理解、高度な専門性などとされていますが、それらの力をつけるにはどうすればいいのか。

そして、日々新聞紙面を賑わしている「AI」が人間に代わって仕事をこなしていく未来に、今の子供達ができる仕事はなんのか。

この不確定要素の多い時代に、子供達を社会に送り出す以上、一定の準備を子供たちにさせる必要があります。

そのためには、まず私たち大人が現状を正しく認識し、知識を持つことだと思います。受験という観点で言えば、子供達に「勉強しなさい」という前に、その勉強に意味があるのかを大人も見つめ直す必要もあります。

今回のセミナーでも、私たちが提唱する中学受験のあるべき姿もお伝えいたしました。中学受験勉強は単に中学に合格するためにツールなのではなく、逆に中学受験を利用して「全力で物事に挑戦する楽しみ」「努力をすることの尊さ」「大きな目標を達成できたときの喜び」を経験しながら大きく成長するチャンスだと考えています。

セミナーの冒頭でもお話しいたしましたが、私は深圳に住む多くの親御さんが教育に対する関心を深めることが、深圳の教育レベルの押し上げること繋がると確信しています。そして、今回非常に多くの方に足を運んでいただき、教育について知識を共有できたことは、深圳の教育環境にとって大きな歩みになったかと思います。

今回のセミナーは、ご参加いただいた保護者各位のご協力をもって非常にすばらしいセミナーになりました。今後、またこのような機会を設けることができる日が来ることを楽しみにしています。

ありがとうございました。