シドニー教室

教室長ブログ

サザンの無観客ライブを観て

シドニーではコロナ騒動がやや落ち着いて平常の生活に戻りつつありますが、気がつけばもう6月も終わり。2020年も半分が過ぎてしまいました。せめて月に1つ位は書いておきたいので先週の出来事を。

6月25日にサザンオールスターズのデビュー42周年を記念した無観客ライブがオンラインで行われました。エピス会員のお父様、お母様の中にも年代的にサザンファンが少なからずいらっしゃるのではないかと思いますが、何を隠そう僕も筋金入りのサザンファン。はっきりと覚えているのは1982年のシングル『チャコの海岸物語』で、当時9歳だった僕は桑田佳祐に憧れ、彼がこの曲をテレビで唄っているときに身に付けていたサスペンダーがあまりにもカッコよくて、ねだって買ってもらったことをよく覚えています。中学生になってからはファンクラブに入会。88年の「大復活祭」や98年の浜名湖「渚園」、2000年に行われた「茅ヶ崎ライブ」などなど、歴史に残る名ライブの数々にも足を運びました。

さて、今回、無観客ライブを横浜アリーナで行うと知り、「是非とも観たい!」と思う一方で、「なぜ横アリ?どうせなら普通ではあり得ない、小さなライブハウスの方がいいのでは?」と考えていました。そして当日、いよいよライブがスタート。1万7000人を収容できる会場に観客は1人もいません。その会場に向かって「スタンド〜、アリ〜ナ〜」と呼びかける桑田佳祐。シュール過ぎる、あまりにもシュール。なんとも言えない、ちょっと困ったような桑田佳祐の横顔が印象的でした。

そういえば、僕も3カ月前に突然スタートしたオンライン授業の初日に誰もいない教室で、ひとりiPadのカメラに向かって「こんにちは〜」と叫んだときに何とも言えない気持ちになったことを今でも鮮明に覚えています。このカメラの向こう側には間違いなく子どもたちがいるのに、教室には誰も座っていない机と椅子が整然と並んでいるという違和感。ライブを観ながら桑田佳祐に共感できてしまう不思議な感覚です。

しかし、演奏が進むにつれて桑田佳祐のテンションが次第に上がっていくのがはっきりとわかります。アンコール前の最後の曲『勝手にシンドバッド』でのハイテンションは、もはや無観客のそれとは思えません。もちろん、僕も自宅のソファでノリノリですよ♪ そして、この感覚もやっぱりオンライン授業と同じでした。授業の中盤からテンションが徐々に上がってくると、つい声は大きくなり口も滑らかになって、いつもと変わらぬ授業をしていたなぁと。桑田佳祐と自分を比べて語るなんてこっ恥ずかしいにも程がありますが、それでもやっぱりちょっとは同じような経験をしたのではないかと思うのです。

ところで、「横アリではなく、小さなライブハウスでやった方がいい」と最初は思っていたのですが、ライブを最後まで観て横浜アリーナで行った意味がよくわかりました。今回、無観客にもかかわらず、炎は出るわ火花は飛ぶわと舞台装置はいつも通りの大がかりなものでした。おそらく、携わった関係者の数は相当数でしょう。現在、さまざまなイベントの自粛でこうした仕事に関わる人の中には収入が激減している人も少ないくないはずです。今回サザンのライブを観た人はのべ50万人と言われており、チケットの販売数は18万枚だったそうです。チケットは3600円でしたので、単純計算ですが1ライブで6億4800万円もの売上です。久しく仕事がなかったイベント関係者にとって恵みの雨のようなライブだったのではないかと想像しています。

国や地域によってはだいぶ落ち着いてきたコロナウイルスですが、ちょっと気を緩めればまたぶり返してきそうな状況です。そんな中で、サザンオールスターズのように新しいテクノロジーを駆使し、自分たちの持てる力で困っている誰かの役に少しでも立てたらと、規模の大きさは全然違いますが僕たちも同じように思っています。

エピスでは5月からこれまでに2回、計14校の学校の先生方の協力を得て「海外生のためのオンライン合同学校説明会」を実施してきました。リビングで寛ぎながらお父さんも含めて家族みんなで視聴して欲しいと考えて日曜日に行っているため、各学校の先生方には貴重なお休みの日に学校に出てきていただくことになり大変恐縮です。エピスにおける僕の担当は、学校の先生方にコンタクトを取ってこの合同説明会の趣旨を説明して参加の協力を取り付けることでしたが、各国が鎖国状態となり日本への一時帰国が難しい状況をとてもよく理解していただき、多くの学校の先生方が日曜日であっても快く合同説明会への参加を約束してくださいました。

また、合同説明会の実施を担当しているエピス香港地区のスタッフは、授業の合間を縫って各学校の先生方とリハーサルを行い、当日視聴者の方々に少しでも快適に説明会を観てもらえるようにさまざまな準備をしています。同じエピスの仲間ではありますが、彼らに頭が下がると同時に、自分たちの持てる力を活かして困っている海外の子どもたちの役に立っている彼らを誇らしく思います。

コロナウイルスなんて発生しない方がよかったに決まっているのですが、こうした困難を乗り越えようとする知恵と行動の結果が、サザンのライブを海外にいながらリアルタイムで視聴できるようになったことや、約30校の学校の先生方と協力してアジア全域の小・中学生とそのご家族に学校説明会を届けることに繋がったと思っています。今後の日曜日(7月5日)も海外生に人気の学校7校の先生方がそれぞれに趣向を凝らした説明会を行ってくださいます。是非、ご視聴ください!

「海外生のためのオンライン合同学校説明会」参加申込はコチラから


教室長鈴木 朗

香港が英国から中国に返還される前年の1996年に香港で学習塾講師となる。その後、紆余曲折を経て2002年にエピス代表の澤村と共にepis Education Centreを設立。2010年にシドニー教室を開校させる。子どもたちが目指す目標に向かって一緒にどろんこになりながら走るのが何よりも好きなんだということに今さらながら気がつく。趣味は、ウルトラマラソンやトライアスロン・アイアンマン、ウルトラトレイルランニングに出場して自分を極限まで虐めること。