受験基礎知識

海外からの大学受験

はじめに


大学の帰国生入試、特に文系の各学部の入試は、一般入試とはまったく異なる観点で合格者を選抜します。実態としてはAO入試に近いと言って差し支えありません(実際、帰国生はAO入試で受験することを前提としている大学や学部もあります)。選抜方法とその内容は大学によって大きく異なり、さらに同じ大学でも学部によって違うこともあるので注意が必要です。AO入試に近いということからもわかるように、当日の筆記試験ですべてが決まる一般入試に比べて事前の準備や情報収集が重要となります。しかし、高校生になってから海外の学校に入学したような滞在期間の短い高校生は、学校の授業についていくので精一杯(英語で苦労している)な状況なので、大学受験に向けた準備を後回しにしているケースが多く見られます。前述のように、帰国生入試で成功を収めるには情報収集と準備がカギとなります。高校1年生の頃から大学受験を意識した取り組みをしていきましょう。


1. 帰国生大学入試とは?


帰国生大学入試は大きく3つのパターンに分類できます。

  1. 滞在国の統一試験や外国語試験のスコアを重視する入試
  2. 当日の筆記試験や面接を重視する入試
  3. 上記の1と2の両方を重視する入試

滞在国の統一試験の結果とは、米国のSAT、英国のGCE、オーストラリアであればNSW州のHSC、IB(国際バカロレア)などのスコアとなります。また、外国語試験は、英語であればTOEFL iBTが一般的です。少数ですが、TOEICや英検の結果を提出できる大学・学部もあります。1や3に該当する大学・学部では、これらの試験の結果を基に1次選考を行い、2次選考で面接や筆記試験を行うのが一般的です。また、書類選考のみで合否を決める大学もあります。

なお、オーストラリアから卒業見込みで受験する場合、願書出願時にHSCのスコアを提出することができません。そこで、統一試験のスコアの提出が義務づけられている大学(慶應義塾大学など)を受験する場合は、HSCの代わりにSATなどを受験してそのスコアを提出する必要があります。

当日の筆記試験は、文系の学部であれば小論文・現代文・英語(外国語)のすべて、もしくは一部の教科を課す大学がほとんどです。理系の学部は、数学・理科・英語(外国語)の試験となる場合が多いようです。

統一試験や外国語試験の結果を重視する主な大学・学部

  • 慶應義塾大学(医学部・薬学部を除く)
  • 早稲田大学 国際教養学部
  • 上智大学(秋期入学)
  • 国際基督教大学(秋期入学) など

当日の筆記試験や面接を重視する主な大学・学部

  • 早稲田大学(政治経済学部・国際教養学部を除く)
  • 青山学院大学(国際政治経済学部を除く)
  • 立教大学
  • 横浜国立大学 経営学部
  • 九州大学 など

滞統一試験や外国語試験の結果と筆記試験の両方を重視する主な大学・学部

  • 慶應大学 医学部・薬学部
  • 上智大学
  • 青山学院大学 国際政治経済学部
  • 東京大学
  • 京都大学
  • 一橋大学 など

2. 帰国生入試のスケジュール


帰国生大学入試は、4月入学に限っても9月〜翌年の3月まで半年以上に渡って行われます。また、大きな特徴として、慶應義塾大学、早稲田大学といった最難関私立大学から入試が始まります。したがって、こうした大学に合格した受験生は以降の入試を辞退するため、私立大学では入試日程が進むにつれて受験生が減っていきます。

なお、オーストラリアからの受験生は、10月中旬にHSCが行われるため、この時期の大学入試は受けられない可能性があることに注意しましょう(ただし、HSCは日本で受験することもできます)。

主要大学の入試日程(2015年度入試)

9月慶應義塾大学
早稲田大学
上智大学
ICU
青山学院大学
明治大学
10月学習院大学
法政大学
横浜市立大学
11月立教大学
横浜国立大学
12月北海道大学
1月
2月京都大学
東京大学
一橋大学
九州大学
3月

3. 出願条件


帰国生入試を受けるには、いくつかの出願条件があります。これらは大学・学部によって異なりますが、特に注意すべきは以下の4点です。

1. 海外の学校の在籍期間

海外の教育課程に基づく学校(現地校・インターナショナルスクール)に何年以上在籍していたか。多くの場合2年以上ですが、3年以上としている大学もあります。

2. 海外の学校の卒業

海外の教育課程に基づく学校(現地校・インターナショナルスクール)を卒業しているか。学年の途中で帰国し、日本の高校に編入したような受験生の出願を認めない大学も多いので注意が必要です。

3. 単身留学

保護者の海外赴任や移住が理由ではない単身での留学は、帰国生入試の受験資格がない場合があります。国立大学に多く見られますが、一部の私立大学・学部でも制限されているケースがあります。

4. 滞在国の統一試験の受験

滞在国(または州)などが実施している統一試験(SAT、HSC、IB、GCEなど)のスコアの提出が義務づけられている大学があります(慶應義塾大学など)。オーストラリアからの受験生は、スケジュール的にHSCのスコアを提出できないためSATを受験し、そのスコアを提出します。

こうした諸条件を出願時に知ったのでは手遅れになるケースがあります。特に保護者の海外赴任に伴って現地高校に通っている場合、保護者の帰任時に本人だけが現地に残って高校を卒業しなければ受験資格を得られないケースもあります(但し、少数ですが単身残留を認めない大学・学部もあるので注意が必要です)。したがって、受験学年を待たず、早いうちから帰国生入試に関する情報収集をする必要があります。


4. 単身残留・単身留学のススメ


保護者の海外駐在等に伴って海外の高校へ通っていた高校生が、保護者の帰任時の選択肢として、1. 日本の高校に編入する、2. 保護者は帰国し、自身はホームステイなどをしながら単身で現地の高校に残留するという、2つの選択肢が考えられます。

高校編入を選択する場合、海外現地校やインターナショナルスクールで学習していた内容と日本の高校の学習内容には大きな隔たりがあるため、編入試験は英語以外の教科ではかなり厳しい結果となることが容易に予想できます。したがって、本来の自分のレベルではない高校へ不本意ながら編入することになり、モチベーションは大きく低下する可能性があります。また、大学によっては海外の高校を卒業していないと帰国生入試の受験資格が得られないため、一般入試を受けなければならないケースもあります。

一方、単身残留を決意した場合、ホームステイをしながら高校へ通うことになりますので、学校の勉強や受験勉強だけでなく、身の回りのこともすべて自分でしなければなりません。また、外国人ホストファミリーと上手くやっていくことも求められます。大変なことも多いと思いますが、本当の意味で異文化体験できる貴重な機会になる可能性もあります。
なお、単身残留は、多くの大学・学部で受験資格として認めていますが、残留の決断をする前に受験希望の大学に問い合わせは必ずしておきましょう。

単身留学とは、保護者の海外駐在等と関わりなく、自分の決断で海外の高校へ通うことです。単身残留同様に、親元を離れて生活のすべて自分でこなす必要がありますが、努力次第では英語力の大きな向上や、生涯に渡ってつきあえる外国人の友人を得られることなど、その苦労や費用を差し引いても大きなメリットがあるでしょう。
 また、高校卒業時には、帰国生として大学受験の面で大きなメリットがあるのは、ここまで述べてきたとおりです。しかし、単身留学を出願条件で認めていない大学・学部もありますので注意が必要です。以下は、単身留学を認めない主要な大学・学部ですが、実際には必ず入試案内を参照したり、大学に問い合わせたりしましょう。

単身留学を認めない主な大学・学部

国立大学秋田大学 工学資源
千葉大学お茶の水大学
電気通信大学
東京外国語大学
東京学芸大学
一橋大学
横浜国立大学 経営学部(経済学部は可)
九州大学
私立大学青山学院大学(条件によっては可)
学習院大学(条件によっては可)
慶應義塾大学 医学部・薬学部

*国立大学は単身留学を認めない学校が多い。一方、私立大学は多くの大学が認めている。


5. 入試の内容と難易度


一般受験であれば、大手予備校が実施する合否判定テストを頼りに各大学の難易度を把握し、自分の実力をそこに届くまで引き上げるような努力が可能です。また、過去の入試問題を書店で入手可能なため、入試対策は比較的容易と言えます。

一方、帰国生入試は、一学部あたりせいぜい数百名程度が受験する入試です。したがって、合否判定テストや偏差値といった目安が存在しません。また、過去問題を公表していない大学も多いため、受験生が入試の難易度を掴みづらいのも実情です。さらに、慶應義塾大学と早稲田大学を除くほとんどの大学は、帰国生入試では複数学部の併願できない仕組みになっているため、受験校・学部を慎重に選ぶ必要があります。

そこで、ここでは帰国生に特に人気のある3校の入試の特徴について記します。

大学名提出書類(統一試験・英語試験)筆記試験備考
慶應義塾大学・SAT Reasoning Testの目安1800点以上
・SAT Subject Testの受験も必須
・TOEFL iBTの目安105点?
・小論文学部の併願可
早稲田大学
*国際教養学部、政治経済学部を除く
・統一試験の提出は必要。ただし、合否は当日の筆記試験でほぼ決まる
・TOEFLのスコアは提出不可
・現代文読解(60分 大問2題)
・小論文
・英語
学部の併願可
上智大学・TOEFL iBT 45〜68で出願可能(学部による)
・SATのスコアでも可
・小論文
*学部により出題内容が異なる。学部の専門内容についてある程度の教養が必要
学部の併願不可

取り組みやすい慶應義塾の小論文

統一試験の成績が合否を大きく左右する慶應義塾大学で出題される小論文は、非常にスタンダードな内容で、帰国生入試に向けて小論文の準備をしてきた高校生であれば問題なく書ける内容であろう。統一試験の成績で合否がほぼ決まると言っても、第2次選考で不合格になる受験生もいるのでしっかりと準備をしておく必要がある。

2014年度 慶應義塾大学経済学部 小論文テーマ

最近のニュースの中から関心を持った経済問題を1つ選び、(1)何が問題になっているのか、(2)その問題が私たちの生活にどのように関わっているのか、(3)問題解決を模索する上で経済学はどのような役割を果たせるのか、の3点をふまえつつ、その経済問題について論じなさい。(800字以内)

2014年度 慶應義塾大学商学部 小論文テーマ

以下の(1)と(2)の質問に答えなさい。
日本では人口の少子高齢化が進展している。1990年に20歳未満に人口は全体の26%であったのだが、2010年になると18%に低下し、さらに国立社会保障人口問題研究所の人口推計によると2030年には15%に下がると予想されている。他方、65歳以上人口に占める高齢者比率は、1990年では12%であったのだが2010年には23%に上昇し、さらに2030年になると32%に上昇すると推計されている。
(1)日本では、なぜ少子化が進展しているとあなたは考えるか。
(2)少子高齢化は社会にどのような影響を与えるとあなたは考えるか。

真の実力が問われる早稲田大学の小論文

早稲田大学はSAT等の統一試験の結果提出こそ求めてはいるが、多くの受験生が取り組んでいるTOEFLについてはスコアの提出すら認めていないため、どんなにいい結果を出していても評価してもらえません。また、ほとんどの大学・学部の帰国生入試に課される面接も早稲田大学ではごく少数の学部でしか実施していません。つまり、合否は入試当日の筆記試験でほぼ決まるといって過言ではないのです。

そして、入試科目の中でもっとも帰国生泣かせなのが小論文です。各学部共通の小論部であるため志望学部の専門性に偏ったものではなく、また帰国生入試だからといって国際性や異文化をテーマにしたものとも限りません。社会や文化に関して書かれた文章を読み、400字以内で課題文を要約し、さらに600字以内で意見を書くというのがここ数年のスタンダードです。テーマや制限字数はともかく、難解なのは課題文の筆者の意見を正しく読み取り、これに対して自分なりの問題提起をした上で論理的に意見を主張していくことが求められます。もちろん、これこそが小論文で求められる力ですが、日頃から論説文を読んだり、それに対する自分の意見を書いたりするトレーニングを積んでいない受験生は手も足も出ないはずです。

早稲田大学は、受験日程が私大のほぼ最初に来るということもあり、ほとんどの帰国生が受験する大規模な帰国生入試です。しかし、各学部とも合格者は受験者の3割程度と非常に狭き門であるのが実情。絶対に早稲田大学に合格したいのであれば、海外滞在中からしっかりと国語や小論文の勉強しておく必要があります。

専門的な内容を問う上智大学の学科試験

慶應義塾大学、早稲田大学についで帰国生に人気があるのが上智大学です。出願基準としてTOEFL iBTのスコアが48〜68(学部による)となっており、海外在留期間が短く、高い英語力がまだ身についていない帰国生でも受験しやすいことが特徴です。上智大学の入試内容から感じられるのは、上智大学は帰国生が入学後に本気で勉強しようと思っているか否かを判断しようとしている点です。

学科試験は学部ごとに内容が異なります。学部によっては非常に専門的な内容を問う問題を出しますが、これは例えば「法学部を志望しているのであれば、海外滞在中でも法律に関する新書の数冊程度は読んでいるはず」ということが前提になっているのでしょう。

上智大学の学科試験の内容 *一部抜粋

学部学科学科試問の内容
小論文
歴史学をめぐる試問
国文古文・漢文を含む専門に関する筆記試験、小論文
英文英文和訳、和文英訳
新聞ジャーナリズムに関する基礎的学力試験
総合人間科学教育教育学の学修に必要な基礎学力の試験
心理課題文に関する論述試験
社会文章理解力、表現力、思考力についての試問
社会福祉社会および社会福祉に関する理解力と思考力を問う小論文
法学法律社会と法に関する基礎学力試験(小論文)
国際関係法国際関係に関する基礎学力試験(小論文)
地球環境法社会(環境問題を含む)と法に関する基礎学力試験(小論文)
経済経済小論文、数学(I,II,A,B[数列][ベクトル])
経営産業社会に関する基礎的学力試験(英語を含む)
外国語英語英文解釈、リスニング、時事教養問題(英作文)
総合グローバル総合グローバル小論文

6. 各教科の勉強法


1. 小論文

最近では一般入試の科目の一部やAO入試に小論文を課す大学・学部が増えているため、「読むだけで書ける!」というようなキャッチコピーの小論文の平易な参考書を多く見かけます。たしかに、日本の高校生であれば、歴史や政治・経済の授業で学んだこと、国語の授業や入試の現代文読解で読んだ論説文の内容などを活かして、そうした参考書を頼りにそこそこの小論文を短期間で書けるようになるかもしれません。

しかし、海外の滞在期間が長い高校生は、小論文を書くために必要な基礎的な教養が欠落しているようです。また、日本語の文章を読む絶対量が不足しているため、語彙力に乏しく、論理的な文章の構成が身についていない高校生も目立ちます。

小論文を書くためには、まずインプットが重要です。最低でも近現代の日本の歴史の流れは頭に入れておきましょう。また、日頃から日本の政治・経済・文化などに関するニュースをチェックし、知らないことや気になることがあれば、そのままにせずすぐに調べる習慣をつけましょう。そして、過去に大学入試(一般入試でも可)で出題された小論文のテーマで実際に小論文を書き、書いたものを添削してもらってアドバイスを受けるといいでしょう。

2. 現代文

帰国生入試に現代文読解を課す大学は限られていますが、ほとんどの帰国生が早稲田大学の多くの学部で必要となるため避けて通れない科目です。また、現代文読解の学習は、小論文を書くために非常に重要です。なお、帰国生入試の現代文で出題される文章は、論説文や随筆が中心で古文や漢文は出題されませんが、歴史的仮名遣いや和歌・俳句など、常識的な範囲の教養は問われますので要注意です。

現代文は、小論文と同様に独学が難しい科目です。滞在国に学習塾があれば指導を受ける方が無難ですが、不可能な場合はできるだけ解説の詳しい論説文の問題をたくさん解くようにしましょう。

3. 英語(TOEFL iBT)

慶應義塾大学や上智大学のように、事前にTOEFL iBTのスコアを提出する代わりに筆記試験に英語を課さない大学もありますが、早稲田大学は英語の試験が必須です。出題内容の傾向は大学によって違いますが、まずはTOEFL iBTで高いスコアを取れるように勉強しておけばいいでしょう。

TOEFL iBTは教材が充実していますので自習がしやすい教科といえますが、英語に自信がない滞在年数の短い高校生はTOEFL指導に精通した教師に指導を求めるべきです。目標は高校3年生になるまでに105点以上を取ることです。SATの結果にもよりますが、これで慶應義塾大学合格が見えてきます。英語が苦手な高校生でも必死に勉強すれば85〜90点には届くはず。ここまで行けば、上智やICUも有望です。

4. 統一試験(SAT)

基本は滞在国の統一試験を目指して勉強をすればいいのですが、オーストラリアに滞在する高校生は、試験スケジュールの都合で統一試験(NSW州であればHSC)のスコアを提出できません。このため、慶應義塾大学や横浜国立大学経済学部などを受験する場合は、代わりにSATのスコアを提出する必要があります。SATは米国人高校生を対象としたテストなので、日本人にとって英語のセクションは非常に難しいと言えます。ただし、年間6回(1・5・6・10・11・12月)も受験チャンスがあり、最終学年を待たずに受験できることを考えれば、一発勝負のHSCよりもむしろメリットがあると考えることもできます。

SATはTOEFL同様に教材が豊富に出回っていますが、高いスコアを取るにはコツが必要なので経験豊富な教師の指導を受けることが必要となるでしょう。なお、慶應義塾大学は、SAT Reasoning Test(旧SAT I)の他、SAT Subject Test(旧SAT II)の受験も必須であるため、この対策も必要となります。


7. 面接対策を怠らない!


帰国生入試では面接が非常に重視されます。早稲田大学が人間科学部など一部の学部を除いて面接を行わないことを除けば、ほとんどの大学・学部の帰国生入試で面接が課されます。そして、面接の出来、不出来はそのまま合否に直結すると考えても差し支えありません。

面接試験の際に質問される内容で、特に重要なのは以下の3点です。

  1. 志望動機(なぜ○○大学なのか、なぜ○○学部・学科なのか?)
  2. 大学入学後にしたいこと
  3. 大学卒業後にしたいこと

日本の大学の多くが帰国生入試を実施しています。数ある大学の中からなぜその大学を受験しようと考えたのか、試験官が納得できる回答が必要です。また、慶應義塾や早稲田大学は学部の併願が可能ですが、当然ながら試験官は複数学部に出願している場合はそのことが手元の資料でわかります。例えば、文学部と商学部のようにまったく学ぶ内容の異なる学部に出願している場合など、矛盾のない志望動機が必要になるでしょう。

入学後にしたいことを明確にしておくことも重要です。さすがにサークル活動を挙げる受験生はいないでしょうが、いかにも「面接回答例」のような誰でも言えるような内容では、揚げ足を取られるか、せいぜい低く評価されるだけでしょう。

卒業後についても同様です。高校生という人生でも最も多感な時期を海外で過ごした者だからこそやれることがあるはずです。大学も卒業生が各分野で活躍することを期待して帰国生入試を行っている面もあることも理解しておきましょう。

なお、受験生の間では「上智大の面接は圧迫面接」だと言われることがありますが、これは受験生の本気度を確認しているからに他なりません。面接時に「入学後に受講したい講座はなんですか?」とか「どの先生の授業を受けたいですか?」と尋ねられ、答えられない受験生には厳しい対応をすることもあるようですが、これなども「本気で上智大学○○学部を志望しているのなら、どんな先生がどんな内容の授業をしているか調べているはず」という考えがあるからではないでしょうか。帰国生入試に本気で合格したいならば、学校の入学案内やWebサイトを隅々まで読み込んで、その大学・学部の研究をすることは重要です。


8. 理想的な学習プラン


ここまでに述べてきたように、帰国生入試で憧れの大学の合格を勝ち取るためには、高校入学時から地道な努力と情報収集が必要となります。日本の高校生は、学校の授業をしっかりと受けることが大学入試の準備の一部となりますが、海外生は現地の学校に通っていても帰国生入試を突破するための直接的な準備にはなりません。

以下に、帰国生入試を受けるための一般的なスケジュールをまとめました。滞在国の事情等に合わせながら、自分なりの合格へのプランを組み立ててみよう。

学年準備内容試験・受験
高校1年生志望大学・学部を検討し、出願に必要な試験のスコア等について把握する

TOEFLの勉強を開始

小論文・現代文対策として定期的に文章を読んだり、書いたりする

スポーツやボランティア活動にも積極的に参加しよう
TOEFLがどんな試験なのか、まずは受験してみることが大切
高校2年生10月
11月
12月
1月
SATの勉強を開始

TOEFLの勉強
小論文・現代文の勉強
TOEFLを受験
*高2のうちに100点を超えておく
SATを受験
*慶應義塾大学を受けるつもりならば、SAT Subject Testを受験する
高校3年生5月SAT受験
6月早稲田大学出願開始

出願書類にモレのないように準備
*志望動機など事前提出する文章は何度も推敲していいものに仕上げる
SAT受験
8月入試直前対策
過去問題を使って実践的な演習

面接対策も忘れずに!
9月早稲田大学 入試
慶應義塾大学2次試験
上智大学 入試
ICU入試
11月横浜国立大学 入試
12月北海道大学 入試
2月
3月
東京大学 入試
京都大学 入試
一橋大学 入試
九州大学 入試