香港学習塾 epis Education Centre

難攻不落の算数城攻略!忍者エピス丸

2017年3月号の巻

挑戦状

拙者は忍者エピス丸。オヌシはこの問題を解けるかな?


図のような16個のマスの中に、1から16の数字を1つずつあてはめて、たて・横・ななめの4個の数字の合計がすべて等しくなるようにしたい。次の問いに答えなさい。



(1)
(1+2+3+4+5+6+7+8+9+10+11+12+13+14+15+16)÷4を計算しなさい。
(2)
アとイにあてはまる数字を求めなさい。

(2010年度 名古屋経済大学高蔵中学 入試問題)

オヌシなら、まず何をする? 健闘を祈る!

攻略キーポイント

洋の東西を問わず、古代より様々な占いや魔除けなどで利用されてきた「魔方陣」。その歴史は非常に古く、紀元前およそ2200年頃の古代中国で初めて作られたと言われている。数の神秘的な関係を表すものとして、魔方陣は江戸時代の日本でも、和算家にとって重要な研究テーマだったようじゃ。現在では、計算力と思考力を同時に鍛えるパズルとして、魔方陣を知っている人も多いことだろう。たて・横4マスずつの魔方陣は、全部で880種類作ることが可能で、今回の挑戦状はその中の一つ。これを完成させると、ルネサンスに活躍したドイツの画家・数学者のアルブレヒト・デューラーの銅版画「メランコリア?」に描かれている、有名な魔方陣になるのでござる。

今回の攻略キーポイントは、問題を順番に見ていくことで十分であろう。(1)は1から16まで全て加えて4でわるという計算問題。これは魔方陣のたて・横・ななめの数字の合計を聞いているのじゃ!マスを埋めていくときに必要な数字になるので、正確に計算しよう。それにしても1から16までたし算するのは、少し大変じゃ。19世紀のドイツの数学者ガウスは、少年時代に1から100まで並んだ数字をたしていく計算をするとき、横1列に並べた数の端と端の数をたしていく工夫をしたというぞ。
1 + 100 = 101 , 2 + 99 = 101 , 3 + 98 = 101・・・ 50 + 51 = 101
というように計算すると101が50個できる。101×50 = 5050が答え。賢い少年じゃ。
1から16までのたし算も、天才少年ガウスと同じように工夫して計算してみよう。

(2)では、左上の16から右下の1までのななめの4個の合計に注目すれば、アにあてはまる数がわかるはず。もちろん(1)の答えを利用するぞ。あとは、たて・横の列に注目してマスを埋めていこう。ちなみに、この魔方陣が描かれたデューラーの銅版画は西暦1514年に完成したものだが、その西暦が魔方陣に刻まれている。なんとも不思議なものじゃのう・・・。おっと、ヒントを与えすぎたかな?さあ、やってみよう!

解法ビデオ



圷 加寿男 先生

神奈川県大和市出身。高校時代はサッカー部のキーパーとして活躍。香港でも日曜日はサッカーで汗を流す。エピスでは教務部長として、受験算数・数学のエキスパートとして大活躍の日々。長期休暇はバックパックひとつで、ふらっと旅に出る。これまでに訪れた国は、インド、バングラディシュ、スリランカ、タイ、ベトナム、ラオスなどなどアジア中心だが、時にはジャマイカ、パラグアイなど南米まで足を延ばすこともあるという、陽気なラテン系。最近のマイブームはダイビング。