香港学習塾 epis Education Centre

深圳教室 教室長ブログ

教室長森 理江

日本の学習塾で教室長を務めた後、2013年に香港へ。2年間のシドニー教室勤務を経て2018年に香港へ再赴任。 そして2026年より中国深圳の地へ。授業では「学びは楽しく、感動の連続である」ことを大切にしている。 深圳では幼少期から続けた書道の影響もあってか、漢字が街中に溢れていることに胸を躍らせている。 東南アジア最高峰のマレーシアにあるキナバル山への登山で今までにない筋肉痛になり、ネパールでの登山では世界最高峰の山々の絶景と自然の壮大さに心を奪われる。次はどの山に登ろうか思案中。

グルガオン教室名古屋合宿で得られたもの

一夜かぎりの花火でリラックス。

かけがえのない時間となった7日間

名古屋市にて6月7日から6月14日の7日間、インドのグルガオン教室の中3生を対象に合宿が開催され、グルガオンの水元教室長とともに、深セン教室からは渡辺が参加となりました。

合宿初日に生徒一人一人に抱負を述べてもらったところ、生徒たちにとっては長時間学習する不安よりも、生活面に対する不安の方が大きかったようで、自分で起床したり、自分で衣服を洗濯したりすることの方が心配だったようです。

在外邦人子女は、限定された社会・生活環境で生活しているため、自立した生活力があるとは言い難く、どうしても過保護になりがちです。普段は親御さんに起こされている生徒たちも、合宿中は集合時間に寝坊して遅刻したり、授業中に居眠りしてしまったりしながら、睡眠時間がどの程度必要なのかを改めて体感して学んでいったようです。水元先生が頭ごなしに説教するのではなく、じっくり見守ってくれているからこそ、生徒たちは失敗を許され、自分自身で成長する機会を得られたのだと思います。

本当の学びとは

いかに効率よく情報を吸収し、スキルを習得するかというスピード社会において、生徒・子供達に対する知識は供給過多になりがちで、子供の意志とは関係なく、矢継ぎ早に課題・タスクが与えられます。子供達は何も考えなくても、大人の与える課題を効率よくこなせば成績が上がり、偏差値の高い大学に入ることができます。

逆に「どうして勉強するの?」と立ち止まってみたり、「どうしてそうなるの?」と数学で悩んでみたりすると非効率で時間がかかり成績が上がらず、「いいから覚えればいいんだよ」と興味や疑問とは無関係に機械的に覚えてしまった生徒の方が成績を上げるケースもあります。

そんなスピード社会において大人に必要なことは「待つ」忍耐力で、子供に考えさせる余裕を持ち、選択をさせ、少し遠回りをしながらも、自分自身で歩ませてこそ「非認知能力(いわゆるやる気、自信など)」を育むことができます。

非認知能力論者のポジショントークにおいては、「認知能力(いわゆる学力、語学力など)」の習得が否定(日本は受験勉強ばっかりやりすぎでしょと)されることもしばしばですが、何かを極める、手に職をつける、専門家として生きていくためには専門的な知識が必要で、それはまさに認知能力が必要になってくるわけです。

認知能力を高めるためには、一定の訓練が必要で、それが勉強であったり、筋トレであったりするのですが、非認知能力(やる気)を高めずに認知能力(学力)を高めようとするから、そこに歪みが生まれるだけなので、認知能力の向上を否定するのは筋違いと言うほかありません。もちろんやる気を無視した詰め込み教育には賛同できません。

合宿で得られたもの

グルガオン教室の水元教室長の生徒たちへの指導は、自分で行動させ、自分で気付かせ、自ら改善させていく、非認知能力の成長を重視した指導で、頭ごなしに叱るようなことはありません。生活を矯正するのではなく、生徒たちに自分の行動を省みる機会を与えつつ成長を見守ってくれました。

生活面の指導は水元先生がしっかりみてくれていたので、私は非認知能力と認知能力を高めることに集中できました。具体的に言えば「数学を楽しむ」ことと「数学のレベルアップ」でした。

1日に3〜5時間もの数学の授業を贅沢に設定していたので、生徒が「どんだけ出てくんの!」と毎日お腹いっぱいになるまで数学の楽しさを堪能してもらいました。数学を学ぶことは認知能力の習得以外の何物でもありませんが、「おもしろい!」「すごい!」と積極的な姿勢で生徒たちが学習してくれたので、合宿スタート当初は「どんだけ数学の勉強するんだよ・・・」と思っていたであろう生徒たちも「もっと知りたい!」「もっと解けるようになりたい!」という前のめりな姿勢になっていました。それはもう「受験」のためにやらなければならない義務的な勉強ではなく、頭を使った高度なパズルゲームをやっているような状態です。

今回合宿に参加した生徒たちは、各教科の学力を上げたことは言うまでもありませんが、それ以外にも大きな学びがありました。それは、合宿生活を通じて学んだ自立心、合宿だからこそ贅沢に設定できた数学の授業から得られた学ぶ楽しみです。
きっとこの7日間に得られた経験がみんなの自信になってくれると思います。
今回の合宿での生徒たちの成長を目の当たりにできたことと、楽しく数学の授業をできたことで、一番楽しませてもらったのは私自信かもしれません。

グルガオンのみんなありがとう!


makebolockのHaloCodeのプログラミングにも挑戦しました。


Maker Faire Shenzhen 2017ツアー

深圳職業技術学院のMaker Faire Shenzhen 2017会場

11月12日(日)深圳職業技術学院でMaker Faire Shenzhen 2017が開催され、epis深圳教室では小・中学生と親御さん総勢40名で、メイカーが出品する作品を楽しんできました。


深圳のメイカーの教育用のロボット

Maker Faire Shenzhen自体は2012年からの開催ということですが、今年2017年はテクノロジー、イノベーション、メイカームーブメントの最先端の都市として深圳が世界中からの注目度も高まり、今年、この瞬間に深圳でMaker Faireに参加できることには大きな意義があると思い、子供達を引率する「Maker Faire Shenzhen 2017ツアー」を敢行しました。
海外に住む多くの日本人がそうであるように、普段、深圳に住んでいる日本人も、深圳の情報が日本語では簡単に手に入らないため、深圳に住んでいるからこそ経験できるようなことも体験できずに過ごしてしまっています。2017年に深圳に住んでいる子供達にとってはとてつもなく大きなチャンスロスです。ここで得られる体験は、人生そのものを変えるだけのインパクトを持っていると私は思っています。


香港の学校のSTEMクラスの生徒の作品

深圳では、Maker Faireだけはなく最新のテクノロジーを体験したり、電子部品を買い集めて自分で携帯電話を作ってみたり、日本では資格無しには飛ばせないドローンを飛ばしてみたり、3Dプリンターを使ってモノづくりをしてみたりすることが気軽にできます。
子供達が自分で携帯電話を作ったり、ドローンを飛ばしてみたりすることがいったい何の役に立つのか?もちろん受験には全く関係ありません(受験のモチベーションにつながる場合はある)。

アップル、アマゾン、Facebook、テンセント、アリババ、テスラなど社会を一変させるようなイノベーションを起こしている企業で活躍している人々は、経営知識のある人々ではなく、テクノロジーに対する造詣の深い人々です。


人が乗れるほど大きなロボット

これまでMBAを取得して経営の専門家になることが経済的に成功する王道とされてきましたが、近年では、テクノロジーこそがイノベーションを起こすという観点から、テクノロジーに強い人材を育成するために、アメリカでも中国でもSTEM教育、STEAM教育に注目が集まっています。
テクノロジーの進化の速度は、進化が進めば進むほど加速されます。今までSF映画の中でしか見られなかった物が、現実世界でも実用可能になってきています。急速なテクノロジーの進化は、我々大人が体験したことのない世界を生み出し、その世界で子供達が生きることになるわけです。

そんな中、子供達は何をすべきなのか。

子供達が数学や理科・社会を学ぶのは、数学者や科学者になるためではなく、論理的思考、社会の仕組み、世界の仕組み、人間そのものを知るために必要な教養だからです。
同様にして、エンジニアリングやプログラミングを学ぶのは、全員がエンジニア、プログラマーになるためではありません。


香港の学校のSTEM教育のブース

日常生活にテクノロジーが深く浸透する社会において、テクノロジーに対するリテラシーがあるのとないのでは、世界・社会の捉え方に大きな違いが出てくるからです。自分自身がエンジニアではなくても、エンジニアリングやプログラミングを使えば、世の中をより良くすることができると思考、理解できるだけのリテラシーが必要だということです。
人類が火、蒸気、電気を手にし、生活を社会を劇的に変化させてきましたが、次なる「AI」を使いこなす時代が到来しようとしています。

AIが進化し人間の能力を超えるシンギュラリティへの到達が予知され、AIに多くの仕事を任せられるようになる時代に、テクノロジーに対するリテラシーがないのは致命的です。
深圳では、携帯電話、ドローン、3Dプリンターなどの子供たちがテクノロジーに触れる導入・動機付けとして非常に良い素材が、華強北に行けば文字通りそこら中に山積みにされています。
テクノロジーが注目を集める深圳ですが、教育面の動きも見逃せず、華為(Huawei)、テンセント、DJIなど深圳の企業は、深圳の学校・教育機関と連携してテクノロジー、イノベーション教育の協力関係を強めています。
このような環境に生活する日本人も深圳の地の利を生かした教育を日本の動きを待たずに、どんどん取り入れていけたらと思います。
今まで、全く深圳のことを知らず、興味もない子供がほとんどだったと思いますが、今回のMaker Faire訪問で、深圳に興味を持ったり、好感を持てるようになった子供も少なからずいます。
来年のMaker Faireは、見る側で参加するだけではなく、出品する側で参加することを一つの目標として、ここからの1年を過ごしていけたらと思います。




今年の受験生は夏期講習で何を感じたか。

夏期講習の恒例となっている、受験生とともに深圳を知るためのツアーを今年も実施しました。
今年は、「今しか体験できない深圳」をテーマに、わかば深圳教室や生徒の住まいからほど近い、後海(ホウハイ)地区の開発中の街を探検しました。
深圳という都市は、日本人、特に中学生の感覚からすれば、「中国にしては洗練された都会」というそれだけかもしれません。しかし、今回探検した後海地区や、ソフトウェア産業基地には、世界屈指の企業であるテンセントの本社、中国のスティーブ・ジョブズとも言われるジャック・マー(馬雲)によるアリババのアリセンター、そして中国人なら誰でも一度は使ったことのある検索サイトの百度のビルなどが立ち並びます。教室から10分もバスに乗れば、中国屈指の企業の拠点がそこら中に点在していることを知ってもらうためにも、敢えて自分たちの足でヘトヘトになりながら歩き回ってみました。


百度ビル


アリセンター


後海地区は現在まさに開発中で道路だけがほぼ出来上がっていて、周辺のビルや土地は建設途中の状態です。「今しか体験できない深圳」というのは、今だけなら、写真のように道路の真ん中を堂々と歩くことができる、今、この瞬間しか体験しようのないことを、深圳の街のど真ん中で体験してみようと思いから、この場所を直に自分たちの足で踏みしめました。
歴史上稀に見るスピードで急速に発展する深圳のまさに開発中の街のど真ん中に立ってみると、ここ深圳に生きていることを実感できるような気がします。


出来立ての道路を思いのままに練り歩く

深圳を占拠!

今回のツアーで自分たちの住む深圳を少しでも肌で感じてくれたのではないかと思います。何を感じたのかは、それぞれの心の中に残っていると思います。いつの日か、深圳が世界屈指の都市として名実ともに世界に君臨するようになったときに、あの道路のど真ん中に立ってみたことを思い出すかもしれませんね。


ソフトウェア産業基地のビル群


「海外からの受験セミナー」を終えて


わかば深圳教室にて、香港から教務部長の圷を迎え、「海外からの中学受験セミナー」を開催いたしました。多数ご参加いただき誠にありがとうございました。

今回のセミナーは「中学受験」がテーマであったため、中国・海外からということで深圳では少しハードルの高いイメージがあったかと思います。しかし、中学受験をするかしないかに関わらず、日本の教育が進もうとする方向性を知ることは、どの学年の子供を育てるに際しても有益なことなので、多くの方にお声がけをさせていただきました。

昨年度から急速に進んでいる「英語中心の入試の広がり」は、2020年度の大学入試改革や小学校での英語教育の改革が急ピッチに進んでいることにあります。そして、その教育改革の最大の要因は世界のグローバル化にあります。

私たちは目先の進学(中学・高校・大学受験)にばかり気をとられずに根源的な教育の課題である、グローバル社会(もしかしたら反グローバル社会)で生きる今の子供達がどのような力を身につけておくべきかを考え、どの教育資源へ投資をするのかを選択していく必要があります。

グローバル社会で必要とされる能力は、外国語を単に操る力ではなく、その言語を駆使しタフな交渉に挑む力、異文化理解、高度な専門性などとされていますが、それらの力をつけるにはどうすればいいのか。

そして、日々新聞紙面を賑わしている「AI」が人間に代わって仕事をこなしていく未来に、今の子供達ができる仕事はなんのか。

この不確定要素の多い時代に、子供達を社会に送り出す以上、一定の準備を子供たちにさせる必要があります。

そのためには、まず私たち大人が現状を正しく認識し、知識を持つことだと思います。受験という観点で言えば、子供達に「勉強しなさい」という前に、その勉強に意味があるのかを大人も見つめ直す必要もあります。

今回のセミナーでも、私たちが提唱する中学受験のあるべき姿もお伝えいたしました。中学受験勉強は単に中学に合格するためにツールなのではなく、逆に中学受験を利用して「全力で物事に挑戦する楽しみ」「努力をすることの尊さ」「大きな目標を達成できたときの喜び」を経験しながら大きく成長するチャンスだと考えています。

セミナーの冒頭でもお話しいたしましたが、私は深圳に住む多くの親御さんが教育に対する関心を深めることが、深圳の教育レベルの押し上げること繋がると確信しています。そして、今回非常に多くの方に足を運んでいただき、教育について知識を共有できたことは、深圳の教育環境にとって大きな歩みになったかと思います。

今回のセミナーは、ご参加いただいた保護者各位のご協力をもって非常にすばらしいセミナーになりました。今後、またこのような機会を設けることができる日が来ることを楽しみにしています。

ありがとうございました。


教育講演会『君たちはどう生きるか』茗溪学園校長 田代先生

episわかば深圳教室にて


5月17日(火)茗溪学園中学校高等学校の田代校長先生をお迎えしご講演いただきました。深圳の中高生25人が教室に集まり、将来について考える貴重な1時間半になりました。

『君たちはどう生きるか』という深いテーマのもと、今の日本や世界がどのような状況におかれ、どのように変化しているのか、具体例を示されながら、将来のために自分たちが今やれること、どのように進んで行けばいいのかを考えていく時間となりました。

今回の先生のご講演は、テーマについて一方的に語るという手法ではなく、「グローバル人材とは何か?」「日本人には何が欠けているのか?」という田代先生の問いかけに、生徒達が自分たちの意見を述べるというインタラクティブな参加型の講演会となり、先生のお話を伺いながら、生徒達の反応を見ている私にとっても非常におもしろい機会になりました。

私が中学生だった時には、グローバルの「グ」の字も知らず、私にとって世界とは、当時住んでいた「山形市内」で完結していました。自分の生きる世界と外の世界とのつながりを全く感じずに生きていましたので、今回出席した生徒たちの発言には驚くばかりです。

深圳の生徒達は、英語を含む外国語は単なるツールの1つであり、その先に本来自分が成し遂げるべき何かが待っていることを理解しています。中学生ながらに「英語さえできればなんとなる」などという考えは持ち合わせておらず、社会が直面する問題、自分たちが直面する問題についてしっかり肌で感じ取っているのだと思います。


田代校長先生

グローバル化の波は確かに押し寄せ、人の成長にも影響を与えているのだと思います。生まれながらにしてインターネットがあり、それを操る便利な端末を手にした現代の子供達がまた一段と世界を飛躍させていくのだろうという期待に胸が高鳴ります。

講演会の後に田代先生に感想を伺いました。
「こんなに積極的な生徒たちはいない」。これはお世辞ではなく、本当に先生のお感じになられたことなのだと思います。長い間帰国生を多く受入れていらっしゃる茗溪学園の校長先生でさえも、改めて「海外の子供達はすごい」とお感じになられるのですから、やはり海外に住む子供達は日本の宝と言ってもよいのだと思います。

今回の講演会でも、田代先生の海外の子供達へのご理解、ご尽力によって海外での教育が支えられていることを再認識しました。先生のお言葉により、子供達の人生の可能性がさらに開かれたと思うと、本当によい機会になったと思います。

末筆ながら、今回の講演会を快く受けてくださった田代校長先生に心から御礼申し上げます。
ありがとうございました。