わかば深圳教室 教室長ブログ

教室長飯尾真之

エピス開校間もない2003年3月に香港へ赴任。その後、九龍教室、メルボルン教室、蘇州教室と渡り歩き、現在わかば深セン教室在籍。さまざまなバックグラウンドをもつ海外在住生徒を導いた経験から、その子その子に応じた適格な学習指導をすることに定評があります。神奈川県出身ですが、どういうわけか小4からウン10年、筋金入りのカープファン。20年近く辛酸を舐めてきましたが、ここ数年、応援が報われる機会が増えてきています。

NHKスペシャル「シリーズ人体〜神秘の巨大ネットワーク〜」


テレビのススメです。NHKスペシャル「シリーズ人体〜神秘の巨大ネットワーク〜」

10月から3月まで毎月1回ずつ、「人体」にまつわる、最新情報を最新の技術を使った映像で知ることができる番組が放送開始されました。

人体は大脳をはじめとする中枢神経のみで判断し、指令を出しているのではなく、各臓器が放出する物質が血液中を通じて移動し、その物質を使って直接会話をしていることなど、驚くべき内容と映像が満載です。

これは、必見です!毎月欠かさず見ましょう!

9月30日(土)後9:00 プロローグ
10月1日(日)後9:00 「“腎臓”が寿命を決める」
11月5日(日)後9:00 「“脂肪と筋肉”の会話がメタボを治す」
12月3日(日)後9:00 「発見!“骨”が若さを呼び覚ます」

<2018年>
1月7日(日)後9:15 「アレルギーの鍵は“腸”にあり」
2月4日(日)後9:00 「徹底解剖!ひらめく“脳”の秘密」
3月18日(日)後9:00 「生命誕生・あなたを生んだミクロの会話」
3月25日(日)後9:00 「人体は謎に満ちている」


宇宙に立つ

ここ数日の空が澄んでいるのか、香港や深圳の夜空にも肉眼ではっきり確認できる星があります。南東方向に見えているのが木星、南方向に火星、土星そして赤く輝くアンタレスも見えているはずです。わかりにくい場合は、「StarWalk」というアプリがお勧めです。

火星、木星、土星、アンタレスなどを一度に見る機会もなかなか無いでしょうから、ぜひ見てみてください。3つの惑星の明るさの違い、色味の違いもわかると思います。火星とアンタレスでも、火星の輝かしい赤とアンタレスの少し不吉な感じのする赤に違いがあり、比べてみると面白いものです。

今回はそれらの星を見てほしいということではなく、もう少し面白い試みをしてみてはどうかと思います。それはこのブログのタイトル通り「宇宙に立つ」という試みです。


その前に数学的な確認を1つ。

一直線上にない3点が存在する場合、ただ1つの平面が存在する。

3つの点を結べば三角形ができ、その三角形の面を無限に延長すれば、そこに平面がイメージできるかと思いますがどうでしょうか。


今、その3点を夜空に浮かぶ、火星、木星、そして自分(地球)とします。
そこに三角形とそれを含む平面をイメージしてみてください。
なんとなく火星と木星から自分自身に下ってくるような大きな坂道をイメージすればよいと思います。そして、その平面こそが我々が住む太陽系の惑星が公転する公転面ということになります。
つまり公転面を基準にするなら、私たちはかなり斜めに立っていることがわかります。

どうでしょう。

宇宙を立体的に、感覚的に感じることができるでしょうか。

私は惑星の公転面を基準にして考えたときに、そこに垂直に立っていないということを頭ではなく、座学ではなく、実際の感覚で感じるときに、「宇宙に立っている」「宇宙に存在している」ような実感がわいてきます。


今回はさらに面白いことに、惑星の近くにアンタレスもあります。アンタレスがあるということは、さそり座、いて座があり、近くに天の川も見えるということです。

天の川の正体はご存知でしょうか。地球、太陽系を含む銀河系(天の川銀河)の円盤を真横から平べったい形として見ているのが天の川です。天の川は太陽系を含む銀河そのものということになります。そして天の川の傾きはそのまま銀河の傾きであるわけです。

このことから、銀河の円盤面に対して自分が傾いて立っていることもわかりますし、平面的な川ではなく奥行があると思うと、宇宙の広がりも感じられるのではないでしょうか。


そして、はじめに考えた太陽系の公転面と銀河の円盤面を合わせて考えるとその平面の傾きは一致しないことがわかるでしょうか。

太陽系の公転面は銀河の円盤面に対して約60度傾いているといわれています。

どうでしょう。

空間の認識という意味ではもしかしたら非常に体感しにくいことかもしれません。宇宙に立たないまでも、夜空を楽しむにはいい条件がそろっているので、ぜひ夜空を楽しんでみるのはどうでしょうか。


星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばひ星、すこしをかし。


昨晩、夜空を見上げてみるとひときわ明るく輝く星が2つ。
珍しく金星と木星が並んで輝いていました。

ひときわ輝くというよりも深圳では、その2つだけが見えて他の星はほとんど見えませんでした。

金星は内惑星(地球の内側を回る惑星)なので、夕方か明け方の空に、まだ明るさの残る時間帯に見ることができるのですが、昨日は、金星が東方最大離角の位置にあり、太陽から最も離れて見える日で、暗い夜空に金星が輝いていたので、ぱっと見た時は飛行機の光かと思うほどの輝きを放っていました。

東方最大離角という位置にあるのは6月7日だけですが、しばらくの間は金星が見やすいので、夜空を見上げてみてください。すぐに見つかるはずです。天体望遠鏡をお持ちの場合は、ぜひ望遠鏡でも見てみてください。ちょうど金星が月で言うなら半月のような形 に見えます。

ちなみに、6月20日(土)20時頃には月、金星、木星が近い位置に見られます。日本ではこの日に天文イベントもあるようです。香港のアベニュー・オブ・スターズには良く天文ファンが集まって、望遠鏡で月や惑星を観察しています。この日も行ってみるといいかもしれません。

さて、清少納言の枕草子にも金星が登場しています。

  星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばひ星、すこしをかし。

すばる=プレアデス星団、ひこぼし=アルタイル、ゆうづつ=金星、よばひ星=流れ星

それにしても、すばるを選ぶところがなんとも憎いところです。
街の明かりのせいで、ボヤッとした星の集まりにしか見えない“すばる”ですが、平安の夜空での存在感はもっと違っていたのかもしれません。

通常は5、6個の星の集まりにしか見えませんが、双眼鏡を使えばすぐに10個以上、ガリレオは30個以上数えたのだとか。

金星を見て、平安の夜空を思ってみるのも、すこしをかし?


NHKスペシャル 生命大躍進 第1集「そして“目”が生まれた」


5月10日(日)に放送されたNHKスペシャル生命大躍進生命大躍進 第1集「そして“目”が生まれた」が非常に面白く、驚きの内容だったので、理科の各クラスでも紹介しました。その第2集が6月7日(日)にあり、その前日に第1集の再放送も予定されています。生徒のみなさんにもぜひ見てほしいのでここで紹介いたします。

第1集はそのタイトルの通り、人間がその進化の過程でどのようにして“目”を手にしたのかに迫っていきます。再放送があるので、見ていただくのが一番ですが、少し内容に触れておきます。

番組のタイトルから安易な想像で、どうせ人間の祖先の動物が海底で暮らしていたころに進化の過程で目も進化させていったのだろうと考えながら見ていたのですが、そんなことではありませんでした。

まず“目”を最初に手に入れたのは、なんと動物ではなく植物だったということが一番の驚きです。しかし植物が手に入れた“目”をどのように動物が手に入れるのか。そこには奇跡としか思えない偶然が何度も繰り返されていました。その偶然がなければ、動物に目がなかったとしてもおかしくないですし、目がないのであれば、恐らく今の形の人間は存在していないことでしょう。

ここでは内容を書ききれませんので、詳しくはやはり放送を見ていただくのが一番です。

なお、日本のテレビを見る環境にない方は、NHKオンデマンドでも動画を購入することができます。この番組は216円ですから、今や人民元で約10元ですね。子供達のお小遣いで購入させるのもいいのではないでしょうか?

それから、この番組のWebサイトも楽しく作られているので、一度ご覧になられても良いかと思います。http://www.nhk.or.jp/seimei/

この番組を通じて、少しでも理科好きが増えてほしいですし、生物としての人間の奥の深さ、歴史について少しでも興味を持ってもらえればと思います。


NHKスペシャル 生命大躍進 
  第1集 6月6日 午前2時35分〜午前3時35分
  第2集 6月7日 午後9時00分〜午後10時00分


受験勉強は受験のためにあらず

四海公園の蓮


わかば深圳教室のある深圳市蛇口地区は、歩いているだけで様々な植物が目を楽しませてくれます。教室から20分ほどのところにある四海公園は今、蓮が見頃です。赤・白・紫の大輪の蓮がざっと見ても1,000本近く咲いているように見えます。

蓮といえば、牡丹、桃、水仙などと共に中国で愛される十大名花の一つです。
また「一蓮托生」という言葉でも知られるように、仏教とは切っても切れない関係にあります。

ドロドロの泥の中からはい上がって、水面から顔を出した時に美しいグラデーションの花びらを大きく広げる姿を、泥の中の現世から極楽浄土の開花へと向かう人間の一生に重ね合わせているのだそうです。

西洋人が蓮を見ても神聖さを感じない かもしれませんが、私にはただの美しい花には見えません。幼い頃から繰り返し知らず知らずに見てきた、お寺の仏様の座る「蓮台」のイメージが頭に焼きついているのでしょうか。

さて、蓮の他にも、深圳で最近見かけた花の中で気になった花が2つあります。それは、アジサイとブーゲンビリアです。


アジサイ

その花の色で言えば、アジサイは紫、ブーゲンビリアは赤というイメージでしょうか。しかし実際には、アジサイ、ブーゲンビリアともに今回載せている写真で言えば、花びらの色は「白」ということになります。

アジサイの鮮やかな部分は「花びら」ではなく「がく」です。本当の花びらは鮮やかながくの中央にある小さな白い部分です。写真でも開花しているものと、開花していないものがあるのがわかると思います。
ブーゲンビリアも赤い部分は花びらではなく、こちらは「苞」という葉のような部分になります。本当の花は中央の白い部分です。写真では2本開花していて、1本は開花していません。


ブーゲンビリア

じっくり観察してみると、ちょっとした発見が散らばっています。深圳では様々な花が街中で見ることができるので、植物園に住んでいるようなものです。せっかくなので時間のある時に観察してみてはどうでしょうか。

翻って中学受験の理科のテキストを見てみると、植物の単元では花びら、雄しべ、がく、胚珠の数、離弁花なのか合弁花なのか、双子葉類なのか単子葉類なのかという一覧が「全部覚えろ!」言わんばかりに載っています。

しかし、ここで重要なのはその数を丸暗記することではありません。重要なことは、どの花をとってみてもそれぞれに特徴があるということを知った上で、どんな花でも実際に花を見てみることです。興味を持ってみることです。

興味を持つということは、前提として多少の知識が必要です。ブーゲンビリアは一見、雄しべしか無いように見えます。その時には「雌しべがない花なんてあるのか?」と考えるには知識が必要です。そのための材料がテキストにはところ狭しと掲載されているのです。

様々な物事に「興味を持つ」、「疑問を持つ」ということは、社会に出てから活躍する上で非常に重要な力です。

近年注目されているAIU(国際教養大学)では、単純に英語を伸ばすだけでは世界で通用する人材とは言えないと考え、幅広い教養を持てるよう、国際大学としては珍しく実験を重視した自然科学教育にも力を入れたリベラルアーツ教育を実践しています。

その成果が出たのか、AIUは高い社会的評価を得て、京大、一橋に次いで就職に強い大学として週刊誌で紹介されたこともあります。

私たちは目の前のテストのため、受験のために勉強してしまいがちですが、本来、中学受験、高校受験は受験のためにあるのではなく、子供達の成長を促し将来の力とするためにあります。

その中でも理科と社会は教養を深めるために最も重要な教科とも言えます。「必ず植物に興味を持ちなさい!」とは言えません。子供が何に興味を持つのかはわかりませんが、興味を持つきっかけを作ってあげることはできます。

理科好き、社会好きになるきっかけは、たった一つの興味から始まることもあります。この子は理科が嫌い、社会が嫌いと決めつけずにテキストから離れたところでも、普段からきっかけを与え続けてほしいと思います。