香港学習塾 epis Education Centre

わかば深圳教室

教室長ブログ

シェアサイクルブームは中国に何をもたらすのか

駐輪スペースに停められたシェアサイクル

シェアサイクルが中国で猛烈な勢いで普及しています。最近ではその勢いが日本にまで届き北海道でもモバイクが導入されたようです。
そして、その普及が加速するなか、同時に駐輪のマナーについて言及されることが増えてきています。日本のマスコミからすれば、「中国人はマナーが悪く好き勝手に乗り捨てるから最低!」という中国批判の記事を書く格好のネタになるでしょうし、情報を受け取る日本人からすれば、「やっぱり中国人はダメだね」と言ってちょっとした安堵かんを得られるのでしょう。
しかし、よくよくこの社会現象を見ているとシェアサイクルの普及は、実は中国人のマナー意識を高めたと言えます。一旦は無政府状態で誰もが好き勝手に乗り捨てていましたが、今では、「マンション内には乗り入れない」「決められた場所に停める」というような意識が育ってきています。
日本ではルールを決めて、決めたルールはみんなで守るというスタンスだと思いますが、中国ではルールを先に決めるのではなく、始めてみたことに問題が起こったら修正していくスタンスで、失敗することや改善点が浮上することが前提で、始めから完璧なものを作り出すのではありません。
中国に暮らす日本人にとってみれば、そのような学びの機会が生活の中にも含まれています。今中国で暮らす子供たちがグローバルな視点で物事を捉えていくという意味でも、子供のうちから中国のやり方を肌で知ることができるのは、貴重な経験だと言えます。
そのためにも、私たち大人が自分たちの住む社会を理解し、「日本と違うものはダメ」ということではなく、「なぜダメなのか」「本当にダメなのか」を学びなおす機会としていかなければならないと思います。


教室長末木千尋

2011年12月に香港へ赴任。旧九龍教室、わかば深圳教室とで合計6年間勤務をし、2017年から再び深圳へ。きめ細やかなサポートには定評があり、時間が経つのも忘れついつい話し込んでしまうことも。本気で立ち向かう生徒の守護神として頼れるアネゴ的存在であるスエキチ先生は、衣食住どれをとっても刺激の絶えないここ深圳での生活がお気に入り。暑さには弱いが辛さには強い。好物は山椒のたっぷり入った激辛料理全般だとか。